はじめに:なぜ筋トレが“最強の投資”なのか
筋トレは「短時間×低コスト」で、見た目・健康・仕事のパフォーマンスまで底上げする再現性の高い投資です。ここでは“なぜ効くのか”と“このガイドの使い方”を最短で押さえます。
- 0-1. 得られる主な効果(サクッと要点)
- 0-2. 成果を決める“たった5つ”の原則(超要約)
- 0-3. このガイドの使い方(最短ロードマップ)
- 0-4. まずは“2週間のテスト運用”(失敗しない始め方)
- 0-5. 安全と効率を担保するミニルール
- 0-6. 今日やることチェックリスト
- 1-1. SMARTゴールの型(コピペ用)
- 1-2. 目的別の“現実的な”進み方
- 1-3. 期限とフェーズ配分(12週の例)
- 1-4. 指標の決め方(測り方までセット)
- 1-5. 具体例(そのまま流用OK)
- 1-6. 初心者がやりがちなミス(回避策つき)
- 1-7. あなたのゴール記入シート(空欄を埋めるだけ)
- 1-8. 小ワザ:モチベが途切れにくい設計
- 2-1. 筋肉が成長するメカニズム(やさしく)
- 2-2. 漸進性過負荷(Progressive Overload)
- 2-3. ボリューム(量)の考え方=“ハードセット”を数える
- 2-4. 強度(重量)と反復レンジ
- 2-5. 頻度(週あたりの刺激回数)
- 2-6. 回復(睡眠・栄養・デロード)
- 2-7. SAIDの法則(Specific Adaptation to Imposed Demands)
- 2-8. RPE/RIRの使い方(実戦)
- 2-9. 可動域(ROM)とテンポ
- 2-10. ウォームアップは“階段”
- 2-11. よくある誤解(秒速で修正)
- 2-12. 今日決めること(チェックリスト)
- 3-1. 分割の選び方(決定フロー)
- 3-2. 週ボリュームの目安(部位ごとのハードセット)
- 3-3. 全身×週3(A/B/C)テンプレ
- 3-4. 上下分割×週4(Upper/Lower×2)
- 3-5. 週5 PPL(Push/Pull/Legs)
- 3-6. 進捗管理(ルールを先に決める)
- 3-7. 8週間の運用例(週4・上下分割)
- 3-8. 時短オプション(45分で終わらせるコツ)
- 3-9. 在宅・器具置換表
- 3-10. 休憩とテンポ(標準)
- 3-11. ログの付け方(例・ベンチ)
- 3-12. よくある詰まりへの即応
- 3-13. 今日決めること(チェックリスト)
- 4-1. 原則(超要点)
- 4-2. “最小コア8”——これだけで全身OK
- 4-3. 目的別の選び方(どれを“柱”にするか)
- 4-4. ビッグ3とその“賢い代替”
- 4-5. 関節にやさしい置換ガイド
- 4-6. プッシュ/プルのバランス(肩甲帯ケア)
- 4-7. 家でも迷わない置換リスト(簡潔版)
- 4-8. セットの“気持ちいい最小構成”
- 4-9. キャリー(持ち運び種目)で“全身まとめ取り”
- 4-10. よくある種目選定ミス
- 4-11. 今日決めること(チェックリスト)
- 5-1. 安全の3原則(超要点)
- 5-2. 360°ブレーシングと呼吸
- 5-3. ギア(使いどころ)
- 5-4. セーフティ設定&失敗時の対処
- 5-5. 主要種目のキュー(合図)とよくある崩れ
- 5-6. 5分ウォームアップ(最小)
- 5-7. 痛みが出た時の判断フロー
- 5-8. よくある崩れ→即修正(早見表)
- 5-9. 自主チェック(動画撮影)
- 5-10. 今日決めること(チェックリスト)
- 6-1. まずは土台:エネルギーバランス
- 6-2. PFCの決め方(シンプル基準)
- 6-3. 食事タイミング(“一日の合計”が最優先)
- 6-4. 水分・電解質
- 6-5. 食材の“優先度表”
- 6-6. 外食・コンビニで迷わない選び方
- 6-7. 1日のモデル献立(そのまま使える)
- 6-8. 記録と調整(2週間サイクル)
- 6-9. サプリは“最後に足す調味料”
- 6-10. よくある迷い&神話
- 6-11. キッチン最小装備&買い物リスト
- 6-12. 今日から回すチェックリスト
- 7-1. フレーム:刺激→回復→適応(SRA)
- 7-2. 睡眠デザイン(7–9時間を“再現性”で確保)
- 7-3. デロード(計画的に“楽週”を入れる)
- 7-4. アクティブリカバリー(翌日の体が軽くなる動き)
- 7-5. 疲労モニタ(主観×簡易バイタル)
- 7-6. オートレギュレーション(その日の体に合わせる)
- 7-7. ストレス管理(神経系を落ち着かせる)
- 7-8. 食事×睡眠の相乗効果
- 7-9. 出張・夜更かし・交代勤務の応急処置
- 7-10. よくある回復ミス(即修正)
- 7-11. 今日からの回復チェックリスト
- 8-1. 測るもの(優先度つき)
- 8-2. 体組成のリアル:何で判断する?
- 8-3. 推定1RMと“定点レップ”の使い分け
- 8-4. スプレッドシート雛形(列だけ決めれば勝ち)
- 8-5. 判定ルール(2週間サイクル)
- 8-6. 典型パターンの読み解き
- 8-7. 写真・採寸の運用Tips
- 8-8. “PRの種類”を増やす(成長の証拠を見える化)
- 8-9. 月次レビュー(30分で完了)
- 8-10. よくある測定ミス
- 8-11. そのまま使える“進捗スコアカード”(週次)
- 8-12. 今日やることチェックリスト
- 9-1. まずやる“停滞トリアージ”(チェック→処方)
- 9-2. 5つのレバー(調整軸)
- 9-3. テクニック3種(安全運用ルール付き)
- 9-4. “詰まり所”別のピンポイント処方
- 9-5. 具体例(そのまま試せる)
- 9-6. いつ“種目”や“分割”を変えるか
- 9-7. “停滞の型”早見表
- 9-8. 「テクを足す前に減らす」原則
- 9-9. 今日やる停滞対策チェックリスト
- 要点10(これだけ守れば伸びる)
- 30日スプリント(週3全身・60分の例)
- 1ページ・チートシート
0-1. 得られる主な効果(サクッと要点)
- 見た目が締まる:筋肉は身体の“フレーム”。同じ体重でも、筋量が増えるとウエストやフェイスラインがすっきり。
- 基礎代謝UP:筋肉はエネルギー消費の土台。増えるほど「太りにくく、戻りにくい」体質へ。
- 姿勢・関節が安定:体幹・背中・臀部が強くなると猫背や腰の負担が軽減。肩こりの予防にも。
- 睡眠の質が上がる:適度な疲労で寝つき改善・深睡眠が増えやすい。
- メンタルが整う:重量や回数の“可視的な成長”が自己効力感を強化。ストレス耐性UP。
- 老化予防:サルコペニア(加齢による筋減少)対策。骨密度の維持にも寄与。
0-2. 成果を決める“たった5つ”の原則(超要約)
- 漸進性過負荷:少しずつ重さ・回数・セットを増やす。
- 十分なボリューム:週あたり各部位に8–20セットを目安に。
- 適切な頻度:部位あたり週2回前後が伸びやすい。
- 回復の確保:睡眠7–9時間、たんぱく質1.6–2.2g/kg体重。
- 継続可能性:フォーム安全・好きになれるメニュー設計。
用語ミニ解説
RPE:主観的きつさ(10が限界)。
RIR:余力レップ数(2なら「あと2回はできた」)。
SAIDの法則:狙った能力に特化して適応が起きる。
0-3. このガイドの使い方(最短ロードマップ)
- 第1章で目的と期限を数値化(例:3か月で-3kg&スクワット+20kg)。
- 第2〜3章で週3〜4回の骨組みを決定(全身 or 上下分割)。
- 第4〜5章で安全なフォームを習得(動画撮影で自己チェック)。
- 第6〜7章で食事・睡眠を整え、伸びる環境を固定化。
- 第8〜9章で停滞対策(負荷の指標化・微調整)。
- 付録のテンプレをコピペして、今日から回す。
0-4. まずは“2週間のテスト運用”(失敗しない始め方)
- 頻度:週3(例:月・水・金)。
- 時間:1回45〜60分。
- メニュー(全身・各2–3セット、RPE7–8目安):
- スクワット系(自重orゴブレット)
- ヒンジ系(デッドリフトorルーマニアンDL/ヒップヒンジ)
- 水平プッシュ(ベンチor腕立て)
- 水平プル(シーテッドロウor懸垂補助)
- 垂直プッシュ(ショルダープレス)
- 体幹(プランク/デッドバグ)
- 食事:体重×1.6–2.0gのたんぱく質を毎日。
- 記録:重量・回数・RPEをスマホにメモ(例:Notion/メモアプリ)。
0-5. 安全と効率を担保するミニルール
- 痛み>記録:鋭い痛みが出たら中止・可動域や負荷を下げる。
- 2分休む勇気:コンパウンド(多関節)種目間は90–180秒休憩。
- 可動域フルレンジを基本に、最後はフォーム優先で中断。
- ウォームアップ:5分の軽有酸素→段階的に空バー→作業重量へ。
- 上げたら下げる:セットを足す前に、まず睡眠とたんぱく質を見直す。
0-6. 今日やることチェックリスト
- 週3の固定枠をカレンダーにブロック
- たんぱく質の1日目標(g)をメモ:__ g
- 記録用ノート/アプリを決める
- 初回メニュー(上の6種目)をコピペ
- ジム or 在宅の器具状況を把握(代替案も用意)
目標設定:結果を早めるSMARTゴール
「とりあえず頑張る」は最短距離ではありません。**“いつまでに・何を・どれくらい・どう測るか”**を先に決めれば、迷いが減り、伸びが加速します。
1-1. SMARTゴールの型(コピペ用)
Specific(具体的)/Measurable(測定可能)/Achievable(達成可能)/Relevant(目的に合致)/Time-bound(期限付き)
テンプレ
- 目的:____(脂肪減少/筋肥大/筋力向上 など)
- 指標:____(ウエスト、体重、推定1RM、回数 など)
- 基準値→目標値:____ → ____
- 期限:__年__月__日(4〜12週間を1区切りに)
- 行動KPI:週__回トレ/睡眠__h/たんぱく質__g/日
- 除外条件(やらないこと):例)毎日有酸素を長時間やらない など
1-2. 目的別の“現実的な”進み方
数字はあくまで狙いの目安。個体差あり。
A. 脂肪減少メイン(体型を締めたい)
- 進行の目安:体重の0.5〜1.0%/週の減少(例:70kgなら週0.35〜0.7kg)
- 主指標:ウエスト周径(臍ライン)、週平均体重、鏡・写真(同条件)
- 行動KPI:週3〜4回の全身トレ+日常歩行(8,000〜10,000歩)
B. 筋肥大メイン(サイズを増やしたい)
- 進行の目安:体重の0.25〜0.5%/月増(初心者はもう少し上振れ可)
- 主指標:腕・太もも周径、部位写真、主要種目のレップ増
- 行動KPI:各部位 週10〜20セット/たんぱく質充足
C. 筋力向上メイン(重さを伸ばしたい)
- 進行の目安:主要リフト(スクワット・ベンチ・デッド)で5〜15%/12週の向上
- 主指標:推定1RM(後述)・指定重量のレップ数
- 行動KPI:1RMに近い強度を安全に扱う練習、十分な休息
1-3. 期限とフェーズ配分(12週の例)
- 週1–2:技術固め(フォーム学習・軽中重量、多めの動画チェック)
- 週3–8:主フェーズ(漸進的に負荷↑/ボリューム安定)
- 週9:ミニレビュー(弱点補強・微修正)
- 週10–11:仕上げ(目標指標に的を絞る)
- 週12:テスト&評価(写真・採寸・記録更新)、次サイクル計画
1-4. 指標の決め方(測り方までセット)
- 体重:朝一・排泄後・同じ条件で週平均を見る
- ウエスト:臍ラインで軽く息を吐いて計測、週1–2回
- 写真:正面/側面/背面、同光源・同距離・同ポーズ、週1回
- パフォーマンス:
- 推定1RM=使用重量 × 1 / (1.0278 − 0.0278 × 反復数)
- もしくは指定重量の最大レップを定点観測(例:ベンチ60kgで何回?)
1-5. 具体例(そのまま流用OK)
例1:脂肪減少+見た目改善(12週)
- 目標:ウエスト 82cm → 76cm、体重 72.0kg → 67.5kg
- 期限:__年__月__日
- 行動KPI:週3全身トレ、1日たんぱく質130g、就寝23:30
- 評価日:毎週日曜に体重週平均・ウエスト・写真を更新
例2:筋肥大(上半身フォーカス・16週)
- 目標:上腕周り +2.0cm、ベンチプレス 60kg×8回 → 60kg×12回
- 行動KPI:胸肩背 週14–16セット/日タンパク150g/歩数8,000
- 評価日:4週ごとに周径&指定重量のレップ再測定
例3:筋力向上(ベンチ強化・8週)
- 目標:推定1RM +7.5kg
- 行動KPI:ベンチ週2(重・軽)、補助種目は上腕三頭筋を厚め
- 評価日:4週目&8週目に推定1RMを算出
1-6. 初心者がやりがちなミス(回避策つき)
- 体重だけを追う → ウエスト・写真・レップも見る
- 目標が多すぎる → 今サイクルは1〜2個に絞る
- 期限なし → カレンダーに評価日を先に固定
- 毎回“限界” → RIR1–3(あと1〜3回余力)で継続性と回復を優先
- 睡眠を軽視 → 行動KPIに「就寝時刻」を必ず入れる
- フォーム未確立で重量更新 → 週1は動画撮影→チェック
1-7. あなたのゴール記入シート(空欄を埋めるだけ)
- 目的:____
- 主指標(2つまで):____/____
- 現在値 → 目標値:____ → ____
- 期限(評価日も):__年__月__日(中間レビュー:__/__)
- 行動KPI:トレ週__回/就寝__:__/たんぱく質__g
- 制約(仕事・家庭・設備):____
- リスク対策(痛み・出張・天候):____
- ご褒美(達成したら):____
1-8. 小ワザ:モチベが途切れにくい設計
- 成功の証拠を増やす:重量だけでなく「フォーム◎」「RPE管理◎」も記録
- 可視化:スプレッドシートで“ウエスト折れ線”と“ベンチの棒グラフ”
- 環境トリガー:シューズは見える所、前夜にウェアをセット
- ミニ習慣:迷ったら5分だけやる(ウォームアップだけでもOK)
原理原則:これだけは外せない基礎科学
筋トレは「科学」と「仕組み」で伸ばせます。何を増やし、何を守り、何を休ませるかが分かれば最短で成果に到達します。
2-1. 筋肉が成長するメカニズム(やさしく)
- メカニカルテンション:筋繊維にかかる張力。重さ×可動域×時間で決まる主役。
- 代謝ストレス:焼けつき感・パンプなどの代謝的要素。補助役。
- (過度でない)筋損傷:フォームが整えば自然に最小限でOK。狙って増やす必要はない。
結論:安全なフォームで、十分なボリュームを、段階的に重く(or 多く)する。
2-2. 漸進性過負荷(Progressive Overload)
“前回よりほんの少し難しいことをする”がすべての土台。
上げ方の順序(おすすめ)
- **レップ(回数)**を増やす → 2) 重量を微増 → 3) セットを追加 → 4) 密度(休憩短縮・タイムアンダーテンション)を調整
ダブル・プログレッション例(ベンチ)
- 目標レンジ:8–12回 × 3セット
- 今日:60kg 10/9/8(RIR2)
- 次回:同重量で合計回数を伸ばす(11/10/9 を狙う)
- 12/12/12 を達成 → 62.5kgに微増して 8–12に戻す
RIR(Reps In Reserve):あと何回できたかの主観。RIR2なら「あと2回はできた」。
2-3. ボリューム(量)の考え方=“ハードセット”を数える
- ハードセット:RIR0–3の“効く”強度で行う1セット。
- 目安:各部位 週8–20ハードセット
- 初心者:8–12
- 中級:10–16(上限は回復と相談)
分配のコツ
- 例)胸 週12セット → 6セット×週2日に分ける(疲労分散で質が上がる)
2-4. 強度(重量)と反復レンジ
| 目的 | 反復レンジの目安 | RIR | 休憩 |
|---|---|---|---|
| 筋肥大メイン | 5–30回(特に6–12回が中心) | 1–3 | 90–180秒 |
| 筋力メイン | 1–6回 | 1–3(重日は0–2) | 2–5分 |
| 技術/可動域 | 8–15回(軽中重量) | 2–4 | 60–120秒 |
レンジは幅で考える。同じ部位でも日によって重・中・軽を混ぜると伸びやすい。
2-5. 頻度(週あたりの刺激回数)
- 部位あたり 週2回前後がベース。
- 同ボリュームなら、分散した方が1セットあたりの質が高い。
- 忙しい週は全身×2〜3回にして“落とさない”が正解。
2-6. 回復(睡眠・栄養・デロード)
- 睡眠:7–9時間。就寝時刻を固定(例:23:30)。
- たんぱく質:体重×1.6–2.2 g/日。
- デロード:4–8週ごとに重量/セットを約30–50%軽減した“楽週”を1週入れる。
- 痛みが出たら:可動域を短縮 or 種目を近縁種目に一時置換(例:バーベルスクワット→レッグプレス)。
2-7. SAIDの法則(Specific Adaptation to Imposed Demands)
- 狙う能力に身体は特化する。重さを伸ばしたければ重い領域の練習が必要。
- 例)懸垂の回数を増やしたい → 自体重の高回数セット+追加負荷の低回数を両方入れると速い。
2-8. RPE/RIRの使い方(実戦)
- RPE:主観的きつさ(10=限界)。RIRと表裏一体。
- 目安:**RPE7–9(RIR1–3)**が“効く&回復できる”ゾーン。
- オートレギュレーション:
- 最終セットのRIRが3以上 → 次回**+レップ**
- 0–1が続く → 次回**−重量 or −セット**
2-9. 可動域(ROM)とテンポ
- 原則フルレンジ:関節が許す範囲でコントロール。反動は最小化。
- テンポ表記(例:3-0-1-0)
- 3:下ろす(エキセントリック)3秒
- 0:ボトム停止なし
- 1:上げる1秒
- 0:トップ停止なし
- 狙い:可動域と**張力のかかる時間(TUT)**をコントロールして“効かせどころ”を外さない。
2-10. ウォームアップは“階段”
- 5分の軽い有酸素(心拍を上げる)
- 空負荷/軽重量でフォーム確認(目的の可動域に入れる)
- 段階的に作業重量へ(作業重量の60%→80%→90%…各1–3レップ)
肩・股関節・足首の可動性ドリルは“足りない所だけ”短時間でOK。
2-11. よくある誤解(秒速で修正)
- 「効いてる感=正義」 → 記録の伸びが正義。パンプは副産物
- 毎回限界まで追い込む → 疲労で翌週の質が落ちて遠回り
- 種目をコロコロ変える → 同じ主力を8–12週は継続
- 休憩を短くしすぎ → コンパウンドは90–180秒を確保
- 可動域を削るPR → フルレンジのPRの方が“伸びる体”になる
2-12. 今日決めること(チェックリスト)
- 各部位の週ハードセット数(例:胸12・背14・脚12)
- 主要リフトの反復レンジ(例:SQ 5–8、BP 6–12、DL 3–6)
- 頻度(部位週2回)と休憩時間の基準
- デロード週のタイミング(例:6週目)
- RIRルール(RIR≥3 → 次回+レップ / RIR≤1連発 → −負荷)
プログラム設計:週3〜5で確実に伸びる型
“続けやすく・記録が伸びる”骨組みを作ります。ここでは分割の選び方→週セット配分→テンプレ3種→進め方まで一気に決めます。
3-1. 分割の選び方(決定フロー)
- 週3回/60分前後 → 全身3分割(A/B/C)
- 週4回/60–75分 → 上下分割(Upper/Lower×2)
- 週5回/45–60分 → PPL(Push/Pull/Legs)を5日回し
- 在宅・器具少ない → 全身 or 上下分割+自重/ダンベル置換
3-2. 週ボリュームの目安(部位ごとのハードセット)
- 胸10–14/背12–16/脚(クアド)10–14/ヒンジ(ハム尻)8–12/肩10–14/腕6–10/体幹4–8
→ 目的に合わせて±2–4セット調整(脂肪減少期は総量−10〜20%)
3-3. 全身×週3(A/B/C)テンプレ
目的:初心者〜中級の土台作り。1回60分目安。RIR1–3。休憩90–180秒。
A(スクワット基軸)
- スクワット(ハイバー or ゴブレット) 5–8回×3–4
- ベンチプレス or ダンベルベンチ 6–12回×3–4
- シーテッドロウ or ベントロー 8–12回×3
- ルーマニアンDL 6–10回×3
- サイドレイズ 12–15回×2–3(短休憩)
- プランク 45–60秒×2–3
B(ヒンジ基軸)
- デッドリフト(床 or トラップバー) 3–6回×3
- オーバーヘッドプレス 5–8回×3–4
- ラットプル or 斜め懸垂 8–12回×3–4
- ブルガリアンスクワット 8–12回×3/脚
- インクラインDBカール 10–15回×2–3
- デッドバグ 8–12回×2–3
C(ボリューム補完)
- フロントスクワット or レッグプレス 6–10回×3–4
- ダンベルベンチ or ディップス(補助可) 8–12回×3–4
- ワンハンドロウ 8–12回×3/側
- ヒップスラスト 8–12回×3
- ケーブルフライ or 俯せリア 12–15回×2–3
- ハンギングレッグレイズ 8–12回×2–3
週の回し方:月A・水B・金C(火木は軽い有酸素/ストレッチ)
3-4. 上下分割×週4(Upper/Lower×2)
目的:中級へスムーズに移行。重・中を使い分けて伸ばす。
Day1 Upper(重)
- ベンチ 4–6回×4
- ベントロー 5–8回×4
- OHP 6–8回×3
- 加重懸垂 or ラットプル 6–10回×3
- サイドレイズ 12–15回×3
- トライセプスプレスダウン 10–12回×2
Day2 Lower(重)
- スクワット 4–6回×4
- RDL 5–8回×3
- レッグエクステンション 10–15回×2–3
- カーフ 10–15回×3
- 体幹:アブローラー 6–10回×2–3
Day3 Upper(中/ボリューム)
- インクラインDBベンチ 8–12回×4
- シーテッドロウ 8–12回×4
- ディップス or プッシュアップ 8–12回×3
- フェイスプル 12–15回×3
- DBカール 10–15回×2–3
Day4 Lower(中/ボリューム)
- フロントSQ or レッグプレス 6–10回×4
- ヒップスラスト 8–12回×3
- レッグカール 10–15回×3
- カーフ 12–20回×3
- サイドプランク 30–45秒×2/側
配列:月U・火L・木U・金L(水は休み)
3-5. 週5 PPL(Push/Pull/Legs)
45–60分で細かく分散。翌週は開始日をずらしてローテーション。
- Push:ベンチ 6–10×4/OHP 6–10×3/インクラインDB 8–12×3/サイドレイズ 12–15×3/プレスダウン 10–12×2
- Pull:デッド(軽〜中)3–5×3/ペンドレー 5–8×3/ラットプル 8–12×3/フェイスプル 12–15×3/カール 10–12×2
- Legs:スクワット 5–8×4/RDL 6–10×3/ランジ 8–12×2/脚/レッグカール 10–15×2/カーフ 12–20×3
- Push2 / Pull2:同系統をレップ帯と種目を少しずらしてボリューム補填
3-6. 進捗管理(ルールを先に決める)
ダブル・プログレッション
- レンジ上限で3セット達成 → +2.5kg(上半身)/+5kg(下半身)
- 上限に未達 → **同重量で合計レップ↑**を狙う
RIRゲート
- 最終セットがRIR≥3 → 次回「+レップ」
- RIR0–1連発 → 次回「−重量 or −1セット」
停滞3回(3週連続で記録停滞) → セット−2〜4 or 反復帯を変更(6–10→8–12 など)
3-7. 8週間の運用例(週4・上下分割)
- 週1–2:フォーム固め(RIR2–3、記録の“土台”作り)
- 週3–4:負荷微増(各主力+2.5〜5kg or +レップ)
- 週5:ボリューム微増(弱部位に+2–4セット/週)
- 週6(デロード):重量&セット −40%/RIR4程度/可動域とテンポ重視
- 週7–8:再加速(週4の記録を上回る)
3-8. 時短オプション(45分で終わらせるコツ)
- 主力1–2種目は単独でしっかり休む
- 以降は拮抗スーパーセット:
- ベンチ↔ラットプル、OHP↔ワンハンドロウ、スクワット↔カーフ
- マシンはセーフティ&設置時間が短い物を優先
3-9. 在宅・器具置換表
| 目的動作 | バーベル/マシン | 在宅置換(自重/ダンベル/バンド) |
|---|---|---|
| スクワット | バーベルSQ/レッグプレス | ゴブレットSQ/ブルガリアンSQ/バンドSQ |
| ヒンジ | デッド/RDL | ヒップヒンジ/DBRDL/バンドプルスルー |
| 水平プッシュ | ベンチプレス | プッシュアップ(足上げ/加重)/DBベンチ |
| 水平プル | シーテッドロウ | ワンハンドロウ/インバーテッドロウ |
| 垂直プッシュ | OHP | ダンベルショルダープレス/パイクPU |
| 垂直プル | ラットプル | 斜め懸垂/チューブプルダウン |
| 体幹 | ケーブル/マシン | プランク/デッドバグ/アブローラー |
3-10. 休憩とテンポ(標準)
- コンパウンド:90–180秒
- アイソレーション:60–90秒
- テンポ:3-0-1-0(下ろす3秒・止め0・上げ1秒・止め0)を基本に
3-11. ログの付け方(例・ベンチ)
- 8–12×3,60kg:10/9/8(RIR2/2/1) → 次回 **合計レップ↑**狙い
- 12/11/10 達成 → 62.5kgに↑して 8–12に戻す
- 備考欄に:可動域◎/ブリッジ崩れ×/右肩違和感△
3-12. よくある詰まりへの即応
- フォームは良いのに記録が止まる → 休憩延長(+60秒)or 反復帯変更
- 集中力がもたない → 主力だけ先にやる/BCAAではなく水+塩+カフェイン(摂取可の人)
- 関節が重い → その部位の週セット−20%+可動域を一段浅く一時運用
3-13. 今日決めること(チェックリスト)
- 分割(全身3/上下4/PPL5)
- 週ごとの部位セット数
- 主力種目の反復帯(例:SQ5–8、BP6–12、DL3–6)
- RIRゲートとデロード週
- 在宅時の置換種目リスト
種目選定:最小種目で最大リターン
“何をやるか”で成果の8割が決まります。ここでは少数精鋭の種目で全身をカバーし、器具や体の個性に応じて迷わず置換できるようにします。
4-1. 原則(超要点)
- 多関節(コンパウンド)を主役:スクワット/ヒンジ/プレス/ロウ。
- 動作パターンで考える:
- 下半身:スクワット系・ヒンジ系・片脚
- 上半身:水平プッシュ・水平プル・垂直プッシュ・垂直プル
- 体幹:アンチエクステンション(反り防止)・アンチローテーション(ねじれ防止)
- 肩と腰を守る配分:プル≥プッシュ(目安1.2〜1.5倍)。
- 目的に直結:筋力→重い領域の練習、筋肥大→中レップ中心、減量→フォーム維持&全身量の最適化。
4-2. “最小コア8”——これだけで全身OK
各パターンから1種目ずつ、合計8種目を中核に据えます(週3〜4回で回す)。
- スクワット系:バーベルスクワット/レッグプレス/ゴブレットSQ
- ヒンジ系:デッドリフト/ルーマニアンDL(RDL)/ヒップスラスト
- 片脚:ブルガリアンSQ/ランジ
- 水平プッシュ:ベンチプレス/DBベンチ/プッシュアップ(加重可)
- 水平プル:シーテッドロウ/ワンハンドロウ
- 垂直プッシュ:オーバーヘッドプレス(OHP)/DBショルダープレス
- 垂直プル:懸垂(補助可)/ラットプルダウン
- 体幹:プランク/デッドバグ/アブローラー
余力があればアクセサリ2〜4種(サイドレイズ/フェイスプル/レッグカール/カーフ)を追加。
4-3. 目的別の選び方(どれを“柱”にするか)
- 筋力向上:SQ・BP・DL(またはTrap Bar DL)を柱2〜3本。低〜中回数で練習。
- 筋肥大:各パターンから快適な可動域を取りやすい種目を選択(DB・マシン歓迎)。中レップ(6–12)中心。
- 脂肪減少:コア8は維持、フォーム劣化しにくい種目(レッグプレスやケーブル系)で総量を確保。
4-4. ビッグ3とその“賢い代替”
スクワット
- 標準:ハイバー/ローバー
- 代替:フロントSQ(膝主導で体幹強化)、レッグプレス(腰温存)、ゴブレットSQ(在宅・可動域学習)
- こんな人に:膝が怖い→ボックスSQで可動域を限定
ベンチプレス
- 標準:フラットベンチ
- 代替:DBベンチ(肩に優しい中立〜やや回外グリップ)、インクラインDB(上胸)、プッシュアップ加重(在宅)
- 肩前面が張る→スライトアーチ+肩甲骨の寄せ/DBに置換
デッドリフト
- 標準:フロアDL
- 代替:トラップバーDL(腰に優しい)、RDL(ヒップヒンジ学習&ハム狙い)、レッグカール+ヒップスラスト(分割置換)
- 腰が不安→トラップバー or RDLを主役に
4-5. 関節にやさしい置換ガイド
- 肩がつらいプレス → DBベンチ/マシンプレス/レンジ短縮(肩より下で止める)
- 肘がつらいロウ → ニュートラルグリップ(ワンハンドDB/ケーブル)
- 膝がつらいスクワット → ボックスSQ/レッグプレス(足を上に置く)
- 腰がつらいヒンジ → トラップバーDL/ヒップスラスト/RDL(軽中重量)
4-6. プッシュ/プルのバランス(肩甲帯ケア)
- 水平プルの総レップ ≥ 水平プッシュ
- フェイスプル or 俯せリアを週2–3回で肩の外旋・下制を強化
- 垂直系はプル:プッシュ=1:1を目安に
4-7. 家でも迷わない置換リスト(簡潔版)
| 動作 | ジム優先 | 家トレ置換(強度↑の順) |
|---|---|---|
| スクワット | バーベルSQ/プレス | ゴブレット → ブルガリアン → ピストル進行 |
| ヒンジ | DL/RDL/スラスト | ヒップヒンジ → DBRDL → ヒップスラスト(片脚) |
| 水平プッシュ | ベンチ/マシン | プッシュアップ → 足上げ → 加重 |
| 水平プル | ロウ各種 | ワンハンドDB → インバーテッドロウ(テーブル) |
| 垂直プッシュ | OHP | DBショルダープレス → パイクPU |
| 垂直プル | ラットプル/懸垂 | 斜め懸垂 → チューブプルダウン |
| 体幹 | ケーブル/マシン | プランク → RKCプランク → アブローラー |
4-8. セットの“気持ちいい最小構成”
- 主力4種+補助2種=6種/回(60分前後)
- 例:SQ/ベンチ/ロウ/RDL+サイドレイズ+プランク
- 時間がない日(45分)
- 主力2種を単独でしっかり休む → 残りを拮抗スーパーセット(ベンチ↔ロウ など)
4-9. キャリー(持ち運び種目)で“全身まとめ取り”
- ファーマーズウォーク/スーツケースキャリー(片手):握力・体幹・肩安定性を同時強化
- スペースがなければスタティックホールド(片手ダンベル保持30–45秒)
4-10. よくある種目選定ミス
- 見栄え種目に偏る → 動作パターンが穴だらけになる
- “苦手だから外す” → 苦手動作は軽いバリエーションで残す
- 週ごとにコロコロ変更 → 8–12週は同じ主力で記録を追う
- 可動域が狭いPR狙い → フルレンジ基準で伸ばす(安全+将来性)
4-11. 今日決めること(チェックリスト)
- 最小コア8の自分版リスト
- 各コア種目の在宅置換(1つずつ)
- 肩・腰保護の代替案(各1つ)
- プル≥プッシュの配分(例:水平プル12セット/水平プッシュ10セット)
- “忙しい日”の短縮版6種メニュー
フォームと安全:怪我ゼロで長く伸びる
「効くフォーム=安全なフォーム」。ここではブレーシング(体幹固定)・呼吸・セーフティ設定を中心に、主要種目のキュー(合図)と崩れの直し方をまとめます。
5-1. 安全の3原則(超要点)
- 脊柱を中立に保つ(胸を高く・肋骨は締める/骨盤は過度に前後傾させない)
- 360°ブレーシング(腹だけでなく横・背中側まで空気を入れて固める)
- 可動域は“痛みゼロ”でコントロール(反動×/末端で止める)
5-2. 360°ブレーシングと呼吸
- 手順:鼻で息を吸う→腹・脇腹・腰回りを全方向に膨らませる→お腹を軽く前に押し返す→その圧を維持して挙上。
- 低〜中回数:1レップごとに短いバルサルバ(強く息みすぎない)。
- 高回数:トップで2–3呼吸してから次レップへ。
- 注意:高血圧など心配があれば、息を止める時間を短くし、トップで十分に呼気を取る。
合図:「缶を潰さない」「ベルトを360°に押す」
5-3. ギア(使いどころ)
- ベルト:主力リフトで中〜重重量に。お腹を押し当てる面があれば布でもOK。
- リストラップ:ベンチ/OHPの手首の折れ対策。
- ニースリーブ:膝の温保持・軽いサポート。
- リフティングシューズ:スクワットの足首可動域不足に有効。
- どれもフォーム>ギア。まず動作を整えるのが先。
5-4. セーフティ設定&失敗時の対処
- パワーラック:
- スクワット:ボトムで尻がセーフティに触れる高さに設定。
- ベンチ:胸を張った状態でバーが胸に触れる直前にバーがセーフティへ当たる高さ。
- 失敗時:
- スクワット…上がらないと感じたら前傾を少し増やしてセーフティへ座らせる(無理に立ち戻らない)。
- ベンチ…セーフティ必須。スポッターがいない時は重量を守る。
- カラー(留め具):基本使用。ただしベンチの単独練で“最終手段のスライド逃がし”を残したい時だけ外す選択も(推奨はセーフティ使用)。
5-5. 主要種目のキュー(合図)とよくある崩れ
スクワット(ハイバー想定)
- セットアップ:足は肩幅±、つま先やや外。三点荷重(拇指球・小指球・踵)。
- 下ろし:「お尻を後ろ&膝を前へ同時」「胸は高く」。
- 上げ:「床を押す」「膝と胸を同時に上げる」。
- 崩れ→修正
- 膝が内へ:つま先と同方向へ「膝を外へ」/重さ減。
- 背中が丸まる:胸高く・肘下向き/コア強化/重量減。
- かかとが浮く:リフティングシューズorカーフの下に薄板/足首ドリル。
デッドリフト(床引き)
- セットアップ:「靴紐の上にバー」「脛1–2cm手前」。
- 合図:「股関節を畳む(ヒンジ)」「脇を前に挟む=ラットに力」「地面を自分に引き寄せる」。
- 上げ:バーを脚に沿わせて真上へ。膝が過ぎたら尻を絞る。
- 崩れ→修正
- 腰が先に上がる:すね角を保つ/背中の緊張先行。
- バーが離れる:スネ・太腿に沿わせる/ラットを前に締める(ポケットへ押し込む感覚)。
- 背丸まり:胸を前に向ける/作業重量−10〜20%。
ベンチプレス
- セットアップ:肩甲骨寄せて下げる(下制)/軽いアーチ。肩・尻・足は常時接地。
- 軌道:下ろしは乳頭線よりやや下、上げは顔方向へ軽く斜め。
- 肘:上腕が胴体に対し30–45°。
- 崩れ→修正
- 肩前が痛い:肘を内に少し入れる/DBベンチへ置換。
- 手首が折れる:バーは掌の中心(親指付け根)/リストラップ。
- お尻浮き:足で床を押す方向を前へ/重量調整。
オーバーヘッドプレス(OHP)
- セットアップ:お尻と腹を同時に締める(骨盤中立)。
- 軌道:バーは鼻→頭頂の前を通過、頭を通す。
- 崩れ→修正
- 反り腰:尻締め・肋骨を下げる/重量減。
- 手首折れ:肘をバーの下に、前腕垂直。
ロウ(シーテッド/ワンハンド)
- 合図:「胸を高く」「肘を後ろポケットへ」。
- 可動域:前で肩甲骨を前に出す→引く時寄せる。
- 崩れ:体を反らせ過ぎ→胴体角度を固定/反復帯を8–12に。
懸垂
- スタート:ぶら下がりで肩を“下げて”から引く(アクティブハング)。
- 合図:「胸をバーへ」「肘を脇腹へ」。
- 崩れ:脚バタつき→軽い足組み/テンポ2-0-1-0。
ヒップスラスト
- 合図:「顎を引く」「肋骨下げて骨盤を後傾」。
- トップ:尻を固めて2拍、腰で反らない。
5-6. 5分ウォームアップ(最小)
- 軽有酸素2分(バイク/トレッド)
- 関節スイッチ:
- 足首ロッカー×10/脚
- ヒップエアプレーン×5/側
- Tスパイン回旋×5/側
- 種目別の段階上げ:作業重量の30%×8 → 50%×5 → 70%×3 → 85%×1 → 本番
5-7. 痛みが出た時の判断フロー
- 赤旗(即中止&専門家へ):鋭い痛み・しびれ・力が抜ける・腫れ/熱感が強い・夜間痛。
- 黄旗(当日内で調整):違和感・突っ張り・片側の張り強め。
- 可動域−25〜50%
- 重量−10〜30% or RIR+2
- 近縁種目へ置換(スクワット→レッグプレス/ベンチ→DB)
- 痛み0〜2/10で動けるなら継続、>3/10なら終了
5-8. よくある崩れ→即修正(早見表)
| 症状 | ありがち原因 | 速攻対策 |
|---|---|---|
| 肩前が張る(プレス) | 肘が開きすぎ/肩甲骨が上がる | 肘30–45°/肩甲骨下制/DBへ一時置換 |
| 腰が重い(スクワ・デッド) | 反り腰/急激なボリューム増 | 肋骨を下げる/週セット−20%/RDLへ |
| 膝ウズウズ(スクワ) | ニーイン/足圧が前すぎ | 膝はつま先方向/三点荷重/箱スクワ |
| 肘痛(ロウ・懸垂) | 手幅・グリップ固定 | ニュートラル握り/手幅調整/反復帯↑ |
5-9. 自主チェック(動画撮影)
- 角度:
- スクワ:斜め後ろ45°(膝・腰・バー軌道)
- デッド:真横(背中角度・バーが脚に沿うか)
- ベンチ:足元側斜め(肘角・軌道)
- 見る点:バー軌道は垂直に近いか/終始中立脊柱か/左右差。
- メモ:各セットにRIRと気づき1行。
5-10. 今日決めること(チェックリスト)
- ラックのセーフティ高さ(スクワ/ベンチ)
- 自分のブレーシング合図(例:「360°膨らませる→押す」)
- ウォームアップ段階の固定(30/50/70/85%)
- 痛み時の置換リスト(各動作1つ)
- 動画撮影角度と保存先(アルバム名:Form Check)
食事戦略:結果を決める“もう半分”
トレは“刺激”、食事は“材料とエネルギー”。ここでは体重・体型・パフォーマンスを最短で動かすための、カロリーとPFC(たんぱく質・脂質・炭水化物)の決め方、タイミング、サプリ活用まで一気に固めます。
6-1. まずは土台:エネルギーバランス
- 維持カロリー(TDEE目安):体重(kg) × 33kcal(デスクワーク)±4kcal
- 例)70kg → 約 2310kcal(個体差あり。2週間の体重変化で微調整)
- 目的別カロリー設定
- 脂肪減少:維持 − 300〜500kcal/日
- 筋肥大(リーンバルク):維持 + 150〜300kcal/日
- 体重を動かさず体型改善:維持±0でPFC最適化
6-2. PFCの決め方(シンプル基準)
- P(たんぱく質):1.6–2.2 g/kg体重(目安2.0g)
- F(脂質):0.6–1.0 g/kg(ホルモン・皮膚・関節の最低ラインを確保)
- C(炭水化物):残りをすべて(トレの燃料・回復の主役)
1gのカロリー:P=4kcal / C=4kcal / F=9kcal
計算例(70kg・減量期、カロリー2200kcal)
- P:2.0×70=140g(560kcal)
- F:0.8×70=56g(504kcal)
- C:(2200−560−504)/4=284g
→ P140 / F56 / C284
6-3. 食事タイミング(“一日の合計”が最優先)
- たんぱく質:20–40gを3–5回/日に分ける(間隔3–4h)。
- トレ前(60–180分):P20–40g + C30–60g(脂質は軽め)。
- トレ後(〜2時間):P20–40g + C30–80g(合計摂取が大事、時間は“保険”)。
- 就寝前:P20–40g(カゼインや脂質を少し足すと腹持ち◎)。
6-4. 水分・電解質
- 水分:体重×35ml/日 + トレ中500–1000ml/時
- 塩分(ナトリウム):発汗が多い日は300–500mg/時を目安に追加(高血圧の人は医師指導に沿う)。
6-5. 食材の“優先度表”
| 目的 | 高優先 | 中優先 | ほどほど/置換 |
|---|---|---|---|
| たんぱく質 | 鶏胸/もも皮なし、卵、白身魚、鮭、ツナ、大豆・豆腐、ギリシャヨーグルト、ホエイ | 赤身牛/豚、サバ、納豆、カッテージ | 加工肉(脂塩高め) |
| 炭水化物 | 白米/オートミール/全粒パン、芋類、果物 | そば/うどん、コーン/枝豆 | 菓子パン・砂糖飲料(量を決めて) |
| 脂質 | オリーブ油、アボカド、ナッツ、卵黄、青魚 | ダークチョコ70% | 揚げ物・加工菓子油脂 |
6-6. 外食・コンビニで迷わない選び方
- 主食:白米小〜中、蕎麦、握り寿司(マヨ系避け)
- 主菜:焼き魚、鶏胸グリル、牛赤身ステーキ、冷奴
- プラス:サラダ+ノンオイル、味噌汁
- 避けがち:丼+揚げ物+甘味の同時三役(脂質×糖質×量の暴走)
- コンビニ定番:おにぎり+サラダチキン+無糖ヨーグルト/ゆで卵
6-7. 1日のモデル献立(そのまま使える)
A. 減量2200kcal(P140/F56/C284)
- 朝:オートミール60g+ホエイ30g+バナナ1本+無脂ヨーグルト
- 昼:ご飯200g・鶏胸150g・サラダ(ノンオイル)・味噌汁
- トレ前:おにぎり1個+ホエイ20g
- トレ後:バナナ1本+低脂肪乳200ml
- 夕:白身魚200g・じゃがいも250g・ブロッコリー・オリーブ油小さじ2
- 間:カッテージチーズ100g or 納豆1P
B. リーンバルク2560kcal(P140/F56/C374)
- 朝:ご飯250g・卵2・ツナ水煮・味噌汁
- 昼:パスタ120g(トマト)・鶏胸150g・オリーブ油小さじ2
- トレ前:バナナ+蜂蜜少々+ホエイ20g
- トレ後:おにぎり1〜2個+低脂肪乳
- 夕:牛赤身200g・白米200g・サラダ
- 就前:ギリシャヨーグルト200g+はちみつ少量
6-8. 記録と調整(2週間サイクル)
- 毎日:摂取カロリー・PFC・歩数・就寝時刻を簡単に記録
- 毎朝:体重を測り週平均で判断
- 2週間後に判定
- 減量:体重0.5–1.0%/週落ちない → −100〜150kcal
- 増量:体重0.25–0.5%/月増えない → +100〜150kcal
- 体型が崩れる/空腹・疲労強い → 脂質+10g or 炭水+25–50gで様子見
6-9. サプリは“最後に足す調味料”
- ホエイプロテイン:Pの穴埋め用。吸収が速く扱いやすい。
- クレアチン一水和物:3–5g/日。高強度パフォーマンス&筋量の底上げ。
- カフェイン:3–6mg/kgをトレ60分前(敏感なら少量)。睡眠を壊さない時間に。
- ビタミンD:日照不足・血中値低そうなら医療の指導や検査を前提に。
- ω-3(フィッシュオイル):青魚が不足する人向け。
- 電解質(塩/マグネシウム):大量発汗時のケアに。
まずは食事の土台>睡眠>水分。サプリは**“+5%の上積み”**と考える。
6-10. よくある迷い&神話
- 「タンパクは多いほどいい?」 → 上限を超えるとCとFが不足して伸びにくい。2.2g/kgを上限の目安に。
- 「夜遅く食べると全部脂肪?」 → 一日の合計が支配的。就寝直前は消化に重くない物を。
- 「糖質は太る?」 → カロリー管理下では筋トレの味方。量とタイミングが鍵。
- 「アルコールは?」 → 少量でも回復・筋合成を邪魔。飲むなら量と頻度を決める(例:週1–2回、ビール350ml相当1本)。
6-11. キッチン最小装備&買い物リスト
- 装備:キッチンスケール/保存容器/電子レンジ/冷凍庫スペース
- 常備:冷凍鶏胸・白身魚・ミンチ赤身、冷凍ブロッコリー、米・オートミール、卵、納豆、ギリシャヨーグルト、ツナ缶、バナナ、じゃがいも、オリーブ油
6-12. 今日から回すチェックリスト
- 維持カロリーの仮設定(体重×33kcal)
- 目的別に**−400 / +200kcal**でスタート
- P2.0 / F0.8 / Cは残りで算出(gに直す)
- 1日4回のP20–40gの配置
- トレ前後のC30–60gを確保
- 水分:体重×35ml + トレ中500–1000ml
- 2週間後に体重の週平均で再調整
回復と睡眠:伸びが止まる本当の理由
伸びない最大の理由は「刺激不足」ではなく回復不足。ここでは睡眠設計・デロード・アクティブリカバリー・ストレス管理を“運用できる形”に落とします。
7-1. フレーム:刺激→回復→適応(SRA)
- 刺激(トレ)で疲労↑&性能一時↓
- 回復(睡眠・栄養・休息)でベースに戻る
- 適応(超回復)でベースが前より↑
結論:同じ強度なら回復が良い人が勝つ。トレを足す前に回復を積む。
7-2. 睡眠デザイン(7–9時間を“再現性”で確保)
就寝ルーティン(目安45–60分)
- 3-2-1 ルール:
- 3時間前:重い食事&アルコールを終える
- 2時間前:仕事・強い議論を切る
- 1時間前:強い光・SNSを切る(ナイトモード+暗所)
- カフェイン:就寝8–10時間前まで(敏感なら昼で打ち止め)
- 光のコントラスト:
- 朝:10–15分の自然光/屋外
- 夜:暖色・間接照明(500lx以下を目安)
- 寝室環境:温度18–20℃、暗室(遮光)、静音 or ホワイトノイズ、枕は首が一直線になる高さ
- 入眠の型:ぬるめシャワー、軽ストレッチ、日記1行(「今日できたこと」)
- 昼寝:10–20分(15時まで)。90分の長い昼寝は夜に響きやすい
7-3. デロード(計画的に“楽週”を入れる)
- 頻度:4–8週ごと or 「主要種目が2回連続で記録↓+主観疲労↑」
- やり方(1週間)
- 重量 −30〜50% or セット −40%
- RIR4前後(余力をたっぷり残す)
- 可動域・テンポ重視、関節に優しいバリエーションへ置換可
- 目的:次サイクルでPR更新する“助走距離”を作る
7-4. アクティブリカバリー(翌日の体が軽くなる動き)
- ゾーン2有酸素(会話できる強度)20–30分:バイク/速歩
- モビリティ10分:胸椎回旋・股関節・足首を中心に“足りない所だけ”
- 歩数:8,000–10,000歩/日(NEATの底上げで回復循環を促進)
7-5. 疲労モニタ(主観×簡易バイタル)
毎朝 60秒でOK(アプリやメモで)
- 睡眠:時間(h)/質(10点満点)
- 安静時心拍:普段より**+5bpm**が2–3日続いたら黄色信号
- HRV(心拍変動):3日移動平均が本人基準で連続低下→負荷を−10〜20%
- 主観疲労/RPE:ウォームアップがやけに重い日が連続→ボリューム調整
- 握力 or ジャンプ(任意):ベースから**−5〜10%**で黄色信号
HRVミニ解説:数値が高いほど副交感神経優位=**回復◎**の傾向。単日より傾向を見る。
7-6. オートレギュレーション(その日の体に合わせる)
- ウォームアップ基準:予定重量がRIR≤1に感じたら**−2.5〜5kg**(上半身)/−5〜10kg(下半身)落とす
- ボリューム調整:その部位の**週セット −20%**を一時適用(痛み・強疲労時)
- 強度日とボリューム日の入れ替え:同週内で順序を柔軟に
7-7. ストレス管理(神経系を落ち着かせる)
- 呼吸:
- ボックスブリージング4-4-4-4を3分
- 長い呼気:吸う4秒→吐く6–8秒×3分(副交感↑)
- 5分マインドフル:音ガイドでOK。就寝前かトレ前
- シャットダウン儀式(仕事の終わりを可視化):ToDo棚卸し→明日の最初の1手を書く→PCを物理的に閉じる
7-8. 食事×睡眠の相乗効果
- 就寝2–3時間前に炭水化物を少量(おにぎり半個など)→入眠を助ける人が多い
- 寝酒NG:入眠は早くなるが深睡眠が削れる
- 夜間のこむら返り:水分+**電解質(塩・Mg)**が不足していないか確認
7-9. 出張・夜更かし・交代勤務の応急処置
- 夜更かし後:
- トレは短縮(主力2種のみ、RIR2–3)
- カフェインは午前中だけ
- 翌晩の就寝固定を最優先(昼寝20分まで)
- 時差/出張:到着後すぐ朝の光+軽い全身(プッシュアップ/スクワット)
- 交代勤務:寝る前3–4時間は強光×、遮光アイマスク&耳栓、寝る前は炭水+タンパ少量
7-10. よくある回復ミス(即修正)
- 毎回RIR0〜1で潰す → RIR1–3を基本へ
- デロードを“サボる” → 性能が下がる前に計画的に入れる
- ベッドでSNS→脳が覚醒 → 機内モード&本/紙へ
- 休憩を削って密度だけ上げる → 翌週の質が落ちて総量−
7-11. 今日からの回復チェックリスト
- 就寝時刻を固定(例:23:30)
- 3-2-1ルールをメモに貼る
- カフェインカット時刻:__時
- デロード週:__週目に設定
- 毎朝の60秒モニタ(睡眠/心拍/主観)を開始
- 週2回の**ゾーン2(20–30分)**を予定に入れる
進捗の測り方:体組成&パフォーマンス
「測り方」を決めておくと、迷いが消え、修正が速くなります。ここでは何を・いつ・どう測るかと、結果の読み解き→修正までをテンプレ化します。
8-1. 測るもの(優先度つき)
A. 最重要(毎週)
- 週平均体重:朝一・排泄後・同条件で毎日測定→7日平均を見る
- ウエスト周径:臍ライン、軽く息を吐いて週1–2回
- 進捗写真:正面/側面/背面、同光源・同距離・同ポーズで週1回
B. 重要(毎回のトレ)
- 重量×回数×セット(主力は必ず)
- RIR/RPE(最終セットでOK)
- 可動域・フォームの所感(1行メモ)
C. 補助(2〜4週ごと)
- 推定1RM(後述)/指定重量の最大レップ
- 周径(上腕・大腿・臀部・胸囲)
- 主観疲労・睡眠時間の平均
8-2. 体組成のリアル:何で判断する?
- 体重は“総量の指標”で短期は水分に左右(塩分/炭水化物/月経で±1–2kgは普通)。
- ウエストは脂肪の変化に敏感。見た目と相関が高い。
- 体脂肪率(家庭用BIA)は日内変動が大。同条件でトレンドだけ参照。
- 写真が最強の総合判定。光とポーズを固定すれば差分が明確。
結論:体重(週平均)×ウエスト×写真を主軸に、BIAはおまけ。
8-3. 推定1RMと“定点レップ”の使い分け
A) 推定1RM(e1RM)の簡便式
- Epley式:e1RM = 使用重量 × (1 + 0.0333 × 反復数)
- 例:60kg×10回 → 60×(1+0.333)=80kg
- 毎回テストは不要。通常練習のベストセットから算出してトレンドを見る。
B) 定点レップ(おすすめ)
- 固定重量で“何回できるか”を4週ごとに測る(例:ベンチ60kgの最大レップ)。
- 技術影響が少なく比較しやすい。減量中でも回数↑ならOK判断しやすい。
8-4. スプレッドシート雛形(列だけ決めれば勝ち)
- 日付/体重(朝)/カロリー/P/F/C/歩数/就寝時刻
- 種目/重量/回数/RIR/メモ
- 週平均体重(自動)/ウエスト/写真リンク(アルバムURL)
- e1RM(関数)/指定重量の最大レップ
まずは入力が5分で終わる量に。細かすぎる台帳は続かない。
8-5. 判定ルール(2週間サイクル)
目的:脂肪減少
- 週平均体重が0.5–1.0%/週落ちない → −100〜150kcal/日
- ウエストが停滞&パフォーマンスも↓ → 睡眠・塩分・便通を先に整える
- 落ち過ぎ(>1%/週)&元気がない → +100kcalまたはデロード
目的:筋肥大
- 体重が0.25–0.5%/月増えない → +100〜150kcal/日
- ウエストが急増(>1.0cm/2週)→ +カロリーは据え置きで炭水/脂の内訳調整&NEAT↑
目的:筋力
- e1RMが3週連続停滞 → 反復帯を変更(5–8→3–5 or 6–10)、週セット−2〜4、デロード検討
8-6. 典型パターンの読み解き
- 体重↘ / ウエスト↘ / 回数↗:理想。現状維持。
- 体重→ / ウエスト↘ / 回数↗:リコンプ(体型改善)。そのまま。
- 体重↗ / ウエスト→ / 回数↗:クリーンに増量できている。微増継続。
- 体重↘ / ウエスト→ / 回数↘:落とし過ぎ。+100kcal or デロード。
- 体重↗ / ウエスト↗ / 回数→:カロリー過多。−150kcal+歩数↑。
- 記録も体型も停滞:睡眠・ストレス・塩分・水分を先に見直し→それでもダメなら種目/反復帯変更。
8-7. 写真・採寸の運用Tips
- 週1回・朝、同じ場所/光(窓の向きも固定)。
- スマホ三脚+セルフタイマーで距離一定。
- ポーズ:自然立ち/力みすぎない。
- 採寸は柔らかいメジャーで皮膚を潰さない程度に軽く。
8-8. “PRの種類”を増やす(成長の証拠を見える化)
- 重量PR:同レップで重量更新
- レップPR:同重量で回数更新(最重要)
- ボリュームPR:合計レップやトン数↑
- フォームPR:可動域フル・停止付きでの更新
- 疲労管理PR:RIRを保ったまま同記録
→ どれも立派な成長。重量だけに縛られない。
8-9. 月次レビュー(30分で完了)
- 体重・ウエスト・写真を月初と比較
- 主要3種のe1RM推移と定点レップ
- 弱点(部位/動作)を1つだけ選ぶ
- 次の4週間のボリューム配分と反復帯を微調整
- 行動KPI(睡眠/たんぱく/歩数)達成率を出す
8-10. よくある測定ミス
- 単日の体重で一喜一憂 → 週平均で見る
- 光や距離が毎回違う写真 → 再現性ゼロになる
- RIR未記録 → 漸進の判断材料が消える
- e1RMばかり狙って毎週テスト → 疲労が蓄積、練習が崩れる
- BIAの数値に振り回される → 同条件のトレンドのみ
8-11. そのまま使える“進捗スコアカード”(週次)
- 体重(週平均):__ kg(先週比 __ kg)
- ウエスト:__ cm(先週比 __ cm)
- ベンチ60kg 最大レップ:__ 回
- スクワ推定1RM:__ kg(先月比 __ kg)
- 睡眠平均:__ h/たんぱく平均:__ g/歩数:__
- 一言レビュー(良かった・直す):____
- 来週の微調整:カロリー ±__kcal/セット ±__
8-12. 今日やることチェックリスト
- 毎朝計測→7日平均のセルを作る
- ウエスト曜日を固定(例:水・土の朝)
- 定点レップ種目を決める(例:ベンチ60kg・懸垂自重)
- スマホに進捗アルバム作成(“Week01”“Week02”…)
- 月末の30分レビュー枠をカレンダーに確保
停滞打破:プラトー脱出の実践テク
3週以上メイン指標(重量・回数・e1RM)が止まったら“停滞”のサイン。
ここでは重さ/回数/セット/密度/可動域の5レバーを使い、安全に再加速する具体策をまとめます。
9-1. まずやる“停滞トリアージ”(チェック→処方)
- 回復:睡眠7h未満・カロリー/タンパ不足 → まず整える(1–2週)。
- フォーム:動画で可動域・軌道・ブレーシングを再確認。
- RIRログ:最近RIR0〜1が連発してないか? → RIR1–3へ戻す。
- 選ぶ処方:
- 重さが止まる → 反復帯変更 or マイクロロード
- 回数が止まる → リラップ(短休息再開) or AMRAP
- 特定局面で失速 → スピードワーク/ポーズ/部分可動
- 疲労感が強い → デロード or 週セット−20%
9-2. 5つのレバー(調整軸)
A) 重さ(負荷)
- マイクロロード:+0.5–1.25kg(上半身)/+1.25–2.5kg(下半身)
- ウェーブ:例)6-4-2(週ごとに重く短レップ)→再び6に戻す
B) 回数(レップ帯)
- レンジ変更:6–10で停滞→8–12へ(筋肥大寄り)or 3–6へ(筋力寄り)
- トップセット+バックオフ:
- 例)重1セット(RIR1) → −10%で2–3セット(RIR2)
C) セット(ボリューム)
- 弱部位+2–4セット/週(2週間だけ)→過負荷になりすぎたら戻す
- 疲労多すぎ:その部位**−20%**(2週間)
D) 密度(休憩・時間あたり仕事量)
- 休憩延長:コンパウンドは**+60–120秒**で質↑
- EMOM/EDT(上級)で心拍だけ上げ過ぎないよう注意
E) 可動域(ROM)
- 延長:ベンチ2秒ポーズ/SQボトム停止/DLデフィシット
- 部分可動:ベンチ3/4レンジ上部・SQピンSQで詰まり所を狙い撃ち
9-3. テクニック3種(安全運用ルール付き)
① マイクロロード(小刻み増量)
- 使いどころ:ベンチ・OHP・DB系など小筋群の停滞
- ルール:PR後に+0.5–1.25kg/2週失敗で戻す(−2.5kg or レップ増へ)
② リラップ(短休息でレップ回収=レストポーズ/クラスタ)
- やり方:目標12回に対し 10回→10–20秒休む→2回“回収”=12回達成
- 使いどころ:定点レップがあと2–3回足りない時
- ルール:最終セット限定/週1回まで。疲労が強い時は実施しない
③ スピードワーク(動作速度で壁突破=ダイナミックエフォート)
- やり方:50–65%1RM×2–3レップ×6–8セット、爆発的に上げてコントロールで下ろす(休憩60–90秒)
- 使いどころ:ロックアウト弱い/バー速度が遅い種目
- ルール:フォーム崩れ×、週1日、本番の補助として
9-4. “詰まり所”別のピンポイント処方
スクワット
- ボトムで潰れる → ポーズSQ(2秒)/テンポ3-0-1-0で下ろしを丁寧に
- 前傾が強すぎ → フロントSQで体幹鍛える/コア・広背強化
- ニーイン → 足圧三点を意識/バンドアブダクションをウォームアップに
ベンチプレス
- 胸で止まる → 2秒ポーズ/スパソ(ゆっくり下ろし)
- 中盤〜上で失速 → ボード/ピンベンチ/三頭筋(プレスダウン・JMプレス)
- 肩前が痛い → DBベンチ期間限定置換+フェイスプル増量
デッドリフト
- 床離れしない → デフィシットDL(5cm高)/脚主導のレッグプレス補助
- 膝過ぎで止まる → ラックプル/ヒップスラスト
- 背が丸まる → RDLでヒンジ学習/作業重量**−10〜20%**で再構築
9-5. 具体例(そのまま試せる)
例1:ベンチ60kgが「10/9/8」で3週停滞
- 週1:トップ60kg×AMRAP(RIR1) → 55kgに−8〜10%で 10–12×2
- 週2:60kgを「10/10/9」を狙う(マイクロロードは保留)
- 週3:60kg 12/11/10を達成 → 62.5kgに**+2.5kg**(レンジ8–12へ戻す)
例2:スクワットがボトムで毎回潰れる
- 2週間:ポーズSQ(2秒)を主力に、通常SQは−10%でバックオフ2–3セット
- ウォームアップに股関節外旋ドリル30秒×2
- 3週目:通常SQに戻し前回重量−2.5kgから再加速
例3:デッドの床離れが重い&腰が張る
- 2週間:デフィシットDL 3–5回×4+RDL 6–10回×3
- セット間休憩**+60秒**でフォーム徹底
- 3週目:通常DLに戻し**−5kg**から再構築→週4で前記録更新
9-6. いつ“種目”や“分割”を変えるか
- 変える根拠
- 8–12週やり切ってe1RM/レップPRが横ばい
- 痛み・恐怖で主力の再現性が落ちる
- 生活が変化(忙しさ・睡眠)で分割の維持が難しい
- 変え方の原則
- 動作パターンは維持(スクワット系を別バリエに等)
- 一度に変えるのは1–2要素まで(種目+レップ帯、など)
- 2–4週は学習期間としてPRは求めない
9-7. “停滞の型”早見表
| 症状 | 原因あるある | まずやること | 追加テク |
|---|---|---|---|
| 重量が全く伸びない | RIR攻め過ぎ/睡眠不足 | RIR1–3に戻す/睡眠7–9h | 反復帯変更/マイクロロード |
| 回数が伸びない | 休憩短すぎ/密度追いすぎ | 休憩+60–120秒 | リラップ/AMRAP |
| ロックアウトで失速 | 速度不足/三頭弱い | スピードワーク | ピンベンチ/三頭補助 |
| ボトムで潰れる | 可動域・姿勢 | ポーズレップ | テンポ(3秒下ろし) |
| 体が重い・関節が痛い | ボリューム過多 | 週セット−20% | デロード |
9-8. 「テクを足す前に減らす」原則
- 停滞時に種目・テクを増やしすぎると回復が破綻。
- まず“質”(フォーム・休憩・RIR)→次に“量”→最後にテクの順で。
9-9. 今日やる停滞対策チェックリスト
- 停滞の種類を特定(重量?回数?局面?疲労?)
- RIRログを見直し(RIR1–3に統一)
- 処方1つだけ選ぶ(例:ポーズSQ or マイクロロード)
- 2週間だけ実施→3週目に再評価
- それでもダメならデロード→反復帯を変更
結論・まとめ(エグゼクティブサマリー)
最短で伸びる人は、**刺激(トレ)×材料(食事)×回復(睡眠)**を“同時に”回す。やることはシンプルです。
要点10(これだけ守れば伸びる)
- 各部位週8–20ハードセット(RIR1–3)。
- 部位週2回前後に分散(全身3 or 上下4が鉄板)。
- ダブル・プログレッション:レップ上限達成→重量微増。
- 主要種目はフルレンジ&動画チェック、痛みゼロが大前提。
- たんぱく質1.6–2.2 g/kg、カロリーは目的に合わせて±。
- 睡眠7–9h、就寝時刻は固定。
- 記録は重量/回数/RIR+週平均体重・ウエスト・写真。
- 2週ごとに微調整(±100–150kcal / セット±2–4)。
- 3週停滞したら反復帯変更 or マイクロロード or デロード。
- まず質→量→テクの順で弄る(増やす前に整える)。
30日スプリント(週3全身・60分の例)
- 週1–2:フォーム固め(RIR2–3)。A/B/Cで全身。
- 週3:合計レップ↑を狙う(上限届いたら+2.5〜5kg)。
- 週4:弱部位に+2セット/週、月末に写真/ウエスト/定点レップで評価。
停滞→休憩+60–120秒 or 反復帯変更。疲労↑→週セット−20%。
1ページ・チートシート
トレ:
- コンパウンド中心/休憩90–180秒/テンポ3-0-1-0。
- プル系の総レップはプッシュ以上。
食事:
- 維持=体重×33kcal。減量は−300〜500kcal、増量は+150〜300kcal。
- 1日P20–40g×4回、トレ前後にC30–60g。
回復:
- 3-2-1ルール(食事/仕事/スクリーンの締め)&ゾーン2×20–30分×週2。
計測:
- 毎朝体重→7日平均/週1–2ウエスト/週1写真。
- 4週ごとに定点レップ(例:ベンチ60kg何回)。
停滞:
- RIR0連発→RIR1–3へ。
- 重量止まり→反復帯変更 or +0.5–2.5kg。
- 疲労↑→デロード1週(−40%)。
筋トレは「才能」ではなく「設計と運用」。今日の1セット、今夜の睡眠、明日の記録。この3つを回し続ければ、体も数字も必ず変わります。まずは4週間、“質を守って少しずつ重く”から始めましょう。


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