第3章 成長投資枠の活用法:非課税で得られるメリット

投資・お金

先に3行まとめ

  • 成長投資枠は年間240万円。上場株式・ETF・REIT・公募株式投信などが対象(一定の除外あり)。つみたて投資枠と併用で年間360万円まで非課税投資が可能です。SMBC日興証券
  • 配当金・分配金も非課税(国内)。ただし外国株・海外ETFの源泉税は残り、外国税額控除は使えない点に注意。Yahoo!ファイナンス+1
  • **受取方式は“株式数比例配分方式”**に設定必須。これ以外だと非課税にならないケースがあります。金融庁+1

1. 成長投資枠で何が買える?

  • 対象(代表例):上場株式、ETF、REIT、公募株式投信 など。東京証券取引所や投信協会が対象一覧を公開しています。金融庁
  • 年間上限:240万円(つみたて投資枠120万円と併用可=合計360万円/年)。生涯非課税保有限度額は1,800万円(うち成長投資枠は1,200万円まで)。売却すると簿価分翌年以降に復活します。楽天証券
  • 除外の一例:整理・監理銘柄、毎月分配型信託期間20年未満など一定の投信は対象外。

用語ミニ解説
簿価=買ったときの金額(取得金額)。枠の管理や復活はこの“簿価”ベースです。楽天証券


2. 個別株とETF、どう使い分ける?

2-1. ETF(コア候補)

  • メリット:1本で分散、経費率が低め、配当・分配金を非課税で受けやすい(受取方式に注意)。インデックスに乗るので判断がシンプル
  • 向く人:個別株リサーチに時間を割けない/コアを堅実に作りたい。

2-2. 個別株(サテライト候補)

  • メリット:企業の成長や配当政策に直接乗れる。優待など独自の魅力も。
  • リスク:銘柄固有の下落、減配・無配の可能性。分散金額管理が必須。

推奨の型:
コア=ETF(市場全体)サテライト=個別株やテーマETF。初心者は “ETF7〜8割+個別2〜3割” から。(年間上限と生涯上限の範囲で調整)楽天証券


3. 配当金・分配金の“非課税メリット”を最大化

3-1. 受取方式は株式数比例配分方式に

  • NISAで買った国内上場株ETF/REITの配当・分配金を非課税で受取るには、「株式数比例配分方式」への設定が必要。銀行口座受取や配当領収証方式だと課税になります。金融庁+1
  • 設定は各証券会社のマイページから変更(配当基準日に)。一度選ぶと他口座も一括で比例配分方式になる点に注意。京都銀行+1

3-2. 外国株・海外ETFの源泉税は残る

  • NISAでも米国源泉10%(条約税率)など現地課税は非課税にならない。そのため外国税額控除は使えません(NISAは日本で非課税のため通算対象外)。Yahoo!ファイナンス+1

例)米国ETFの分配金:現地10%が差引→日本では非課税→外国税額控除は不可。国内株の配当は比例配分方式完全非課税に。Yahoo!ファイナンス+1


4. 成長投資枠で考える“配当戦略”

4-1. 「利回り」より「持続可能性」

  • 配当性向(利益に占める配当の割合)が高すぎないか、フリーキャッシュフローは十分か、減配歴はないかを確認。
  • 利回りの異常値は“減配前”のサインのことも(利回りトラップに注意)。

4-2. 配当再投資で“雪だるま化”

  • NISAなら配当・分配金も非課税で受け取れるため、そのまま再投資すると複利が効きやすい(特にETF)。受取→自動積立やスポット買いに回す運用動線を決めておく。SMBC日興証券

5. 成長投資枠で扱いやすい“タイプ別ETF”

具体的な銘柄名は各社の対象一覧で確認を。ここではタイプと使いどころを示します。金融庁

  • 国内株インデックス(例:TOPIX型)
    市場全体をカバー。コアに向く。
  • 先進国/全世界インデックス
    地域分散を一気に確保。配当再投資との相性良し。
  • 高配当/配当成長
    キャッシュフロー重視派に。分散数銘柄入替ルールを要確認。
  • REIT(不動産投信)
    セクター分散・分配金狙い。ただし金利動向に感応。
  • テーマ型(AI、インフラなど)
    成長期待は高いがボラティリティ大。サテライトで少額に。

取り扱いは金融機関により異なるため、買えるETF/REITのリストを必ず確認。日本ソフトウェア開発者協会


6. よくある落とし穴(回避メモ)

  • 損益通算・損失繰越は不可
    NISA内の損失は“なかったもの”扱い。課税口座と相殺できません。
  • その年の枠は繰越不可
    年間投資枠は毎年リセット。未使用分は翌年に持ち越せません。
  • 毎月分配の投信などは対象外(成長投資枠)
    商品要件により除外されます。買付前に必ず要件確認を。

7. はじめての配分テンプレ(例:成長投資枠 月2万円)

  • 安定志向:国内株インデックスETF 1.5万円+高配当ETF 5千円
  • 標準:全世界インデックスETF 1万円+国内株インデックスETF 5千円+高配当ETF 5千円
  • 積極:全世界インデックスETF 8千円+高配当ETF 7千円+テーマETF/個別株 5千円

いずれも“つみたて投資枠=土台成長投資枠=伸びしろ”の役割分担を意識。相場でブレても定期点検は年1回SMBC日興証券


8. まとめ(今日の持ち帰り)

  • 成長投資枠は広い商品選択で“攻め”を担う。まずはETFをコア、余力で個別株・テーマをサテライトに。金融庁
  • 配当の非課税を活かすなら、株式数比例配分方式へ変更を忘れない。外国株の源泉税は残る点を理解。金融庁+1
  • ルールは**「損益通算不可/未使用枠の繰越なし」**。計画的に枠を使い、再投資の動線を仕組み化しよう。

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