先に3行まとめ
- つみたて投資枠は年間120万円。対象は「長期・積立・分散」に適した投信と一部ETFです。最新の対象一覧は金融庁が公開しています。金融庁+1
- 信託報酬の法令上限は、国内株インデックスで年0.5%以下、内外・海外インデックスで年0.75%以下。=“低コスト前提”の枠です。
- 迷ったら全世界株インデックスをコアに。MSCI/FTSE系の違いは「小型株を含むか」「国の分類」など。細部より続けられる設計を優先。MSCI+1
1. まず“つみたて投資枠”の前提をおさらい
- 年間上限:120万円(新NISAの年間枠は「つみたて120万+成長240万=最大360万」)。
- 対象商品:金融庁の要件を満たす投資信託+ETFに限定(販売手数料なし、低コスト基準など)。対象商品リストは金融庁サイトで随時更新。実際にETFも少数ながら対象になっています。金融庁+1
ポイント:制度設計そのものが“長期・積立・分散+低コスト”に寄せられています(積立・分散・複利の意義は金融庁の資料でも強調)。金融庁
2. 指数の選び方:コアは「どこまでの世界」を買うか
つみたて枠の投信はどの指数に連動するかで中身がほぼ決まります。代表例はこの3系統。
2-1. 全世界株(コア候補No.1)
- MSCI ACWI:先進国+新興国の大型・中型株で世界の約**85%**をカバー。1本で「世界まるごと」。MSCI+1
- FTSE Global All Cap:大型・中型・小型まで含むのが標準。分散の“裾野”が広い。LSEG
迷ったら:まずはACWI系(ややシンプル)。小型株まで広げたい人はFTSE Global All Cap系も◎。
2-2. 先進国(日本除く)
- MSCI Kokusai(MSCIコクサイ):日本を除く先進国の大型・中型株(22か国)。「米国の比率が高め」になりやすい。MSCI
2-3. 日本株の“面”を押さえる
- TOPIX:日本株を広く網羅する時価総額加重の代表指数。国内の“面”をカバー。日本取引所グループ
目安配分(コア×サテライト):
- 全世界100% …超シンプル&放置向き
- 先進国80%+新興国20% …ACWI相当を2本で再現
- 先進国70%+日本30% …「日本も厚めに」の人向け
3. コストの見方:まず“信託報酬”、つぎに“実質コスト”
- つみたて枠のインデックス投信には法令の上限が設定(国内0.5%/海外0.75%)。低コストが前提です。
- ただし実際の負担は実質コスト(監査費用など含む)も影響。目論見書・運用報告書で確認を。
- 追い込むならトラッキング差(指数とのズレ)や純資産規模(大きく安定しているか)もチェック。
ミニ解説
信託報酬=ファンドの“年会費”。
実質コスト=信託報酬+その他コストの合計イメージ。
トラッキング差=指数にどれだけ“ピッタリ”ついているか。
4. 為替の考え方(外貨資産に投資するなら)
- ヘッジなし:長期の株式は“株式リスク>為替リスク”が基本。ヘッジコストもかからない。
- ヘッジあり:円建ての値動きをマイルドにしたいとき。ヘッジコストで長期リターンがやや目減りする局面も。
→ 初心者は原則ヘッジなしでシンプルに。日本株比率は配分で調整。
5. リバランスのやり方(“やめない仕組み化”)
頻度:年1回(誕生月など“日付固定”が楽)。
方法:
- 目標配分(例:全世界100% or 先進国80/新興国20)を決める
- 乖離が**±5%**以上なら、売らずに新たな積立配分で調整(課税を生まない)
- それでも戻らなければ、つみたて枠内で一部売却→買い直しで微調整(NISA内なので譲渡益は非課税)
コツ:相場急落時も積立は止めない。長期・積立・分散のメリットは金融庁も繰り返し強調しています。金融庁
6. すぐ決められる“ファンド選定チェックリスト”
- ✅ 指数:全世界(ACWI/FTSE GAC) or 先進国(Kokusai) or 日本(TOPIX)日本取引所グループ+3MSCI+3LSEG+3
- ✅ 信託報酬:インデックスなら上限0.5%/0.75%以内は大前提(できれば0.2%台以下が目安)。
- ✅ 実質コスト・トラッキング差:運用報告書の数値を確認
- ✅ 純資産・資金流入:右肩上がりで安定しているか
- ✅ 自動積立の使いやすさ:毎月“自動で続く”仕組みを最優先
7. はじめての積立テンプレ(月3万円の例)
- 超シンプル型:全世界株インデックス1本=3万円
- 少しこだわり型:先進国2.4万円(Kokusai系)+新興国0.6万円
- 日本も厚め型:先進国2.1万円+日本0.9万円(TOPIX)
どの型でも、つみたて枠=“土台”を作るのが目的。慣れてきたら次回の成長投資枠で“伸びしろ”を足す。
参考リンク(公式)
- 金融庁 NISA特設サイト/制度・Q&A・対象商品一覧。金融庁+2金融庁+2
- つみたて投資枠のコスト上限の図表(金融庁PDF)。
- 指数の一次情報:MSCI ACWI/MSCI Kokusai/FTSE Global All Cap/TOPIX。
コメント