初心者〜中級者のための筋トレ完全ガイド:最短で強く、カッコよく、健康になる

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はじめに:なぜ筋トレが“最強の投資”なのか

筋トレは「短時間×低コスト」で、見た目・健康・仕事のパフォーマンスまで底上げする再現性の高い投資です。ここでは“なぜ効くのか”と“このガイドの使い方”を最短で押さえます。

  1. 0-1. 得られる主な効果(サクッと要点)
  2. 0-2. 成果を決める“たった5つ”の原則(超要約)
  3. 0-3. このガイドの使い方(最短ロードマップ)
  4. 0-4. まずは“2週間のテスト運用”(失敗しない始め方)
  5. 0-5. 安全と効率を担保するミニルール
  6. 0-6. 今日やることチェックリスト
  7. 1-1. SMARTゴールの型(コピペ用)
  8. 1-2. 目的別の“現実的な”進み方
    1. A. 脂肪減少メイン(体型を締めたい)
    2. B. 筋肥大メイン(サイズを増やしたい)
    3. C. 筋力向上メイン(重さを伸ばしたい)
  9. 1-3. 期限とフェーズ配分(12週の例)
  10. 1-4. 指標の決め方(測り方までセット)
  11. 1-5. 具体例(そのまま流用OK)
  12. 1-6. 初心者がやりがちなミス(回避策つき)
  13. 1-7. あなたのゴール記入シート(空欄を埋めるだけ)
  14. 1-8. 小ワザ:モチベが途切れにくい設計
  15. 2-1. 筋肉が成長するメカニズム(やさしく)
  16. 2-2. 漸進性過負荷(Progressive Overload)
  17. 2-3. ボリューム(量)の考え方=“ハードセット”を数える
  18. 2-4. 強度(重量)と反復レンジ
  19. 2-5. 頻度(週あたりの刺激回数)
  20. 2-6. 回復(睡眠・栄養・デロード)
  21. 2-7. SAIDの法則(Specific Adaptation to Imposed Demands)
  22. 2-8. RPE/RIRの使い方(実戦)
  23. 2-9. 可動域(ROM)とテンポ
  24. 2-10. ウォームアップは“階段”
  25. 2-11. よくある誤解(秒速で修正)
  26. 2-12. 今日決めること(チェックリスト)
  27. 3-1. 分割の選び方(決定フロー)
  28. 3-2. 週ボリュームの目安(部位ごとのハードセット)
  29. 3-3. 全身×週3(A/B/C)テンプレ
  30. 3-4. 上下分割×週4(Upper/Lower×2)
  31. 3-5. 週5 PPL(Push/Pull/Legs)
  32. 3-6. 進捗管理(ルールを先に決める)
  33. 3-7. 8週間の運用例(週4・上下分割)
  34. 3-8. 時短オプション(45分で終わらせるコツ)
  35. 3-9. 在宅・器具置換表
  36. 3-10. 休憩とテンポ(標準)
  37. 3-11. ログの付け方(例・ベンチ)
  38. 3-12. よくある詰まりへの即応
  39. 3-13. 今日決めること(チェックリスト)
  40. 4-1. 原則(超要点)
  41. 4-2. “最小コア8”——これだけで全身OK
  42. 4-3. 目的別の選び方(どれを“柱”にするか)
  43. 4-4. ビッグ3とその“賢い代替”
    1. スクワット
    2. ベンチプレス
    3. デッドリフト
  44. 4-5. 関節にやさしい置換ガイド
  45. 4-6. プッシュ/プルのバランス(肩甲帯ケア)
  46. 4-7. 家でも迷わない置換リスト(簡潔版)
  47. 4-8. セットの“気持ちいい最小構成”
  48. 4-9. キャリー(持ち運び種目)で“全身まとめ取り”
  49. 4-10. よくある種目選定ミス
  50. 4-11. 今日決めること(チェックリスト)
  51. 5-1. 安全の3原則(超要点)
  52. 5-2. 360°ブレーシングと呼吸
  53. 5-3. ギア(使いどころ)
  54. 5-4. セーフティ設定&失敗時の対処
  55. 5-5. 主要種目のキュー(合図)とよくある崩れ
    1. スクワット(ハイバー想定)
    2. デッドリフト(床引き)
    3. ベンチプレス
    4. オーバーヘッドプレス(OHP)
    5. ロウ(シーテッド/ワンハンド)
    6. 懸垂
    7. ヒップスラスト
  56. 5-6. 5分ウォームアップ(最小)
  57. 5-7. 痛みが出た時の判断フロー
  58. 5-8. よくある崩れ→即修正(早見表)
  59. 5-9. 自主チェック(動画撮影)
  60. 5-10. 今日決めること(チェックリスト)
  61. 6-1. まずは土台:エネルギーバランス
  62. 6-2. PFCの決め方(シンプル基準)
  63. 6-3. 食事タイミング(“一日の合計”が最優先)
  64. 6-4. 水分・電解質
  65. 6-5. 食材の“優先度表”
  66. 6-6. 外食・コンビニで迷わない選び方
  67. 6-7. 1日のモデル献立(そのまま使える)
  68. 6-8. 記録と調整(2週間サイクル)
  69. 6-9. サプリは“最後に足す調味料”
  70. 6-10. よくある迷い&神話
  71. 6-11. キッチン最小装備&買い物リスト
  72. 6-12. 今日から回すチェックリスト
  73. 7-1. フレーム:刺激→回復→適応(SRA)
  74. 7-2. 睡眠デザイン(7–9時間を“再現性”で確保)
  75. 7-3. デロード(計画的に“楽週”を入れる)
  76. 7-4. アクティブリカバリー(翌日の体が軽くなる動き)
  77. 7-5. 疲労モニタ(主観×簡易バイタル)
  78. 7-6. オートレギュレーション(その日の体に合わせる)
  79. 7-7. ストレス管理(神経系を落ち着かせる)
  80. 7-8. 食事×睡眠の相乗効果
  81. 7-9. 出張・夜更かし・交代勤務の応急処置
  82. 7-10. よくある回復ミス(即修正)
  83. 7-11. 今日からの回復チェックリスト
  84. 8-1. 測るもの(優先度つき)
  85. 8-2. 体組成のリアル:何で判断する?
  86. 8-3. 推定1RMと“定点レップ”の使い分け
    1. A) 推定1RM(e1RM)の簡便式
    2. B) 定点レップ(おすすめ)
  87. 8-4. スプレッドシート雛形(列だけ決めれば勝ち)
  88. 8-5. 判定ルール(2週間サイクル)
  89. 8-6. 典型パターンの読み解き
  90. 8-7. 写真・採寸の運用Tips
  91. 8-8. “PRの種類”を増やす(成長の証拠を見える化)
  92. 8-9. 月次レビュー(30分で完了)
  93. 8-10. よくある測定ミス
  94. 8-11. そのまま使える“進捗スコアカード”(週次)
  95. 8-12. 今日やることチェックリスト
  96. 9-1. まずやる“停滞トリアージ”(チェック→処方)
  97. 9-2. 5つのレバー(調整軸)
    1. A) 重さ(負荷)
    2. B) 回数(レップ帯)
    3. C) セット(ボリューム)
    4. D) 密度(休憩・時間あたり仕事量)
    5. E) 可動域(ROM)
  98. 9-3. テクニック3種(安全運用ルール付き)
    1. ① マイクロロード(小刻み増量)
    2. ② リラップ(短休息でレップ回収=レストポーズ/クラスタ)
    3. ③ スピードワーク(動作速度で壁突破=ダイナミックエフォート)
  99. 9-4. “詰まり所”別のピンポイント処方
    1. スクワット
    2. ベンチプレス
    3. デッドリフト
  100. 9-5. 具体例(そのまま試せる)
    1. 例1:ベンチ60kgが「10/9/8」で3週停滞
    2. 例2:スクワットがボトムで毎回潰れる
    3. 例3:デッドの床離れが重い&腰が張る
  101. 9-6. いつ“種目”や“分割”を変えるか
  102. 9-7. “停滞の型”早見表
  103. 9-8. 「テクを足す前に減らす」原則
  104. 9-9. 今日やる停滞対策チェックリスト
  105. 要点10(これだけ守れば伸びる)
  106. 30日スプリント(週3全身・60分の例)
  107. 1ページ・チートシート

0-1. 得られる主な効果(サクッと要点)

  • 見た目が締まる:筋肉は身体の“フレーム”。同じ体重でも、筋量が増えるとウエストやフェイスラインがすっきり。
  • 基礎代謝UP:筋肉はエネルギー消費の土台。増えるほど「太りにくく、戻りにくい」体質へ。
  • 姿勢・関節が安定:体幹・背中・臀部が強くなると猫背や腰の負担が軽減。肩こりの予防にも。
  • 睡眠の質が上がる:適度な疲労で寝つき改善・深睡眠が増えやすい。
  • メンタルが整う:重量や回数の“可視的な成長”が自己効力感を強化。ストレス耐性UP。
  • 老化予防:サルコペニア(加齢による筋減少)対策。骨密度の維持にも寄与。

0-2. 成果を決める“たった5つ”の原則(超要約)

  1. 漸進性過負荷:少しずつ重さ・回数・セットを増やす。
  2. 十分なボリューム:週あたり各部位に8–20セットを目安に。
  3. 適切な頻度:部位あたり週2回前後が伸びやすい。
  4. 回復の確保:睡眠7–9時間、たんぱく質1.6–2.2g/kg体重
  5. 継続可能性:フォーム安全・好きになれるメニュー設計。

用語ミニ解説
RPE:主観的きつさ(10が限界)。
RIR:余力レップ数(2なら「あと2回はできた」)。
SAIDの法則:狙った能力に特化して適応が起きる。

0-3. このガイドの使い方(最短ロードマップ)

  1. 第1章で目的と期限を数値化(例:3か月で-3kg&スクワット+20kg)。
  2. 第2〜3章で週3〜4回の骨組みを決定(全身 or 上下分割)。
  3. 第4〜5章安全なフォームを習得(動画撮影で自己チェック)。
  4. 第6〜7章で食事・睡眠を整え、伸びる環境を固定化。
  5. 第8〜9章で停滞対策(負荷の指標化・微調整)。
  6. 付録のテンプレをコピペして、今日から回す。

0-4. まずは“2週間のテスト運用”(失敗しない始め方)

  • 頻度:週3(例:月・水・金)。
  • 時間:1回45〜60分。
  • メニュー(全身・各2–3セット、RPE7–8目安):
    • スクワット系(自重orゴブレット)
    • ヒンジ系(デッドリフトorルーマニアンDL/ヒップヒンジ)
    • 水平プッシュ(ベンチor腕立て)
    • 水平プル(シーテッドロウor懸垂補助)
    • 垂直プッシュ(ショルダープレス)
    • 体幹(プランク/デッドバグ)
  • 食事:体重×1.6–2.0gのたんぱく質を毎日
  • 記録:重量・回数・RPEをスマホにメモ(例:Notion/メモアプリ)。

0-5. 安全と効率を担保するミニルール

  • 痛み>記録:鋭い痛みが出たら中止・可動域や負荷を下げる。
  • 2分休む勇気:コンパウンド(多関節)種目間は90–180秒休憩。
  • 可動域フルレンジを基本に、最後はフォーム優先で中断。
  • ウォームアップ:5分の軽有酸素→段階的に空バー→作業重量へ。
  • 上げたら下げる:セットを足す前に、まず睡眠とたんぱく質を見直す。

0-6. 今日やることチェックリスト

  • 週3の固定枠をカレンダーにブロック
  • たんぱく質の1日目標(g)をメモ:__ g
  • 記録用ノート/アプリを決める
  • 初回メニュー(上の6種目)をコピペ
  • ジム or 在宅の器具状況を把握(代替案も用意)

目標設定:結果を早めるSMARTゴール

「とりあえず頑張る」は最短距離ではありません。**“いつまでに・何を・どれくらい・どう測るか”**を先に決めれば、迷いが減り、伸びが加速します。

1-1. SMARTゴールの型(コピペ用)

Specific(具体的)/Measurable(測定可能)/Achievable(達成可能)/Relevant(目的に合致)/Time-bound(期限付き)

テンプレ

  • 目的:____(脂肪減少/筋肥大/筋力向上 など)
  • 指標:____(ウエスト、体重、推定1RM、回数 など)
  • 基準値→目標値:____ → ____
  • 期限:__年__月__日(4〜12週間を1区切りに)
  • 行動KPI:週__回トレ/睡眠__h/たんぱく質__g/日
  • 除外条件(やらないこと):例)毎日有酸素を長時間やらない など

1-2. 目的別の“現実的な”進み方

数字はあくまで狙いの目安。個体差あり。

A. 脂肪減少メイン(体型を締めたい)

  • 進行の目安:体重の0.5〜1.0%/週の減少(例:70kgなら週0.35〜0.7kg)
  • 主指標:ウエスト周径(臍ライン)、週平均体重、鏡・写真(同条件)
  • 行動KPI:週3〜4回の全身トレ+日常歩行(8,000〜10,000歩)

B. 筋肥大メイン(サイズを増やしたい)

  • 進行の目安:体重の0.25〜0.5%/月増(初心者はもう少し上振れ可)
  • 主指標:腕・太もも周径、部位写真、主要種目のレップ増
  • 行動KPI:各部位 週10〜20セット/たんぱく質充足

C. 筋力向上メイン(重さを伸ばしたい)

  • 進行の目安:主要リフト(スクワット・ベンチ・デッド)で5〜15%/12週の向上
  • 主指標:推定1RM(後述)・指定重量のレップ数
  • 行動KPI:1RMに近い強度を安全に扱う練習、十分な休息

1-3. 期限とフェーズ配分(12週の例)

  • 週1–2:技術固め(フォーム学習・軽中重量、多めの動画チェック)
  • 週3–8:主フェーズ(漸進的に負荷↑/ボリューム安定)
  • 週9:ミニレビュー(弱点補強・微修正)
  • 週10–11:仕上げ(目標指標に的を絞る)
  • 週12:テスト&評価(写真・採寸・記録更新)、次サイクル計画

1-4. 指標の決め方(測り方までセット)

  • 体重:朝一・排泄後・同じ条件で週平均を見る
  • ウエスト:臍ラインで軽く息を吐いて計測、週1–2回
  • 写真:正面/側面/背面、同光源・同距離・同ポーズ、週1回
  • パフォーマンス
    • 推定1RM=使用重量 × 1 / (1.0278 − 0.0278 × 反復数)
    • もしくは指定重量の最大レップを定点観測(例:ベンチ60kgで何回?)

1-5. 具体例(そのまま流用OK)

例1:脂肪減少+見た目改善(12週)

  • 目標:ウエスト 82cm → 76cm、体重 72.0kg → 67.5kg
  • 期限:__年__月__日
  • 行動KPI:週3全身トレ、1日たんぱく質130g、就寝23:30
  • 評価日:毎週日曜に体重週平均・ウエスト・写真を更新

例2:筋肥大(上半身フォーカス・16週)

  • 目標:上腕周り +2.0cm、ベンチプレス 60kg×8回 → 60kg×12回
  • 行動KPI:胸肩背 週14–16セット/日タンパク150g/歩数8,000
  • 評価日:4週ごとに周径&指定重量のレップ再測定

例3:筋力向上(ベンチ強化・8週)

  • 目標:推定1RM +7.5kg
  • 行動KPI:ベンチ週2(重・軽)、補助種目は上腕三頭筋を厚め
  • 評価日:4週目&8週目に推定1RMを算出

1-6. 初心者がやりがちなミス(回避策つき)

  • 体重だけを追う → ウエスト・写真・レップも見る
  • 目標が多すぎる → 今サイクルは1〜2個に絞る
  • 期限なしカレンダーに評価日を先に固定
  • 毎回“限界”RIR1–3(あと1〜3回余力)で継続性と回復を優先
  • 睡眠を軽視行動KPIに「就寝時刻」を必ず入れる
  • フォーム未確立で重量更新週1は動画撮影→チェック

1-7. あなたのゴール記入シート(空欄を埋めるだけ)

  • 目的:____
  • 主指標(2つまで):____/____
  • 現在値 → 目標値:____ → ____
  • 期限(評価日も):__年__月__日(中間レビュー:__/__)
  • 行動KPI:トレ週__回/就寝__:__/たんぱく質__g
  • 制約(仕事・家庭・設備):____
  • リスク対策(痛み・出張・天候):____
  • ご褒美(達成したら):____

1-8. 小ワザ:モチベが途切れにくい設計

  • 成功の証拠を増やす:重量だけでなく「フォーム◎」「RPE管理◎」も記録
  • 可視化:スプレッドシートで“ウエスト折れ線”と“ベンチの棒グラフ”
  • 環境トリガー:シューズは見える所、前夜にウェアをセット
  • ミニ習慣迷ったら5分だけやる(ウォームアップだけでもOK)

原理原則:これだけは外せない基礎科学

筋トレは「科学」と「仕組み」で伸ばせます。何を増やし、何を守り、何を休ませるかが分かれば最短で成果に到達します。


2-1. 筋肉が成長するメカニズム(やさしく)

  • メカニカルテンション:筋繊維にかかる張力。重さ×可動域×時間で決まる主役。
  • 代謝ストレス:焼けつき感・パンプなどの代謝的要素。補助役。
  • (過度でない)筋損傷:フォームが整えば自然に最小限でOK。狙って増やす必要はない。

結論:安全なフォームで、十分なボリュームを、段階的に重く(or 多く)する。


2-2. 漸進性過負荷(Progressive Overload)

“前回よりほんの少し難しいことをする”がすべての土台。

上げ方の順序(おすすめ)

  1. **レップ(回数)**を増やす → 2) 重量を微増 → 3) セットを追加 → 4) 密度(休憩短縮・タイムアンダーテンション)を調整

ダブル・プログレッション例(ベンチ)

  • 目標レンジ:8–12回 × 3セット
  • 今日:60kg 10/9/8(RIR2)
  • 次回:同重量で合計回数を伸ばす(11/10/9 を狙う)
  • 12/12/12 を達成 → 62.5kgに微増して 8–12に戻す

RIR(Reps In Reserve):あと何回できたかの主観。RIR2なら「あと2回はできた」。


2-3. ボリューム(量)の考え方=“ハードセット”を数える

  • ハードセット:RIR0–3の“効く”強度で行う1セット。
  • 目安:各部位 週8–20ハードセット
    • 初心者:8–12
    • 中級:10–16(上限は回復と相談)

分配のコツ

  • 例)胸 週12セット → 6セット×週2日に分ける(疲労分散で質が上がる)

2-4. 強度(重量)と反復レンジ

目的反復レンジの目安RIR休憩
筋肥大メイン5–30回(特に6–12回が中心)1–390–180秒
筋力メイン1–6回1–3(重日は0–2)2–5分
技術/可動域8–15回(軽中重量)2–460–120秒

レンジは幅で考える。同じ部位でも日によって重・中・軽を混ぜると伸びやすい。


2-5. 頻度(週あたりの刺激回数)

  • 部位あたり 週2回前後がベース。
  • 同ボリュームなら、分散した方が1セットあたりの質が高い
  • 忙しい週は全身×2〜3回にして“落とさない”が正解。

2-6. 回復(睡眠・栄養・デロード)

  • 睡眠:7–9時間。就寝時刻を固定(例:23:30)。
  • たんぱく質:体重×1.6–2.2 g/日
  • デロード:4–8週ごとに重量/セットを約30–50%軽減した“楽週”を1週入れる。
  • 痛みが出たら:可動域を短縮 or 種目を近縁種目に一時置換(例:バーベルスクワット→レッグプレス)。

2-7. SAIDの法則(Specific Adaptation to Imposed Demands)

  • 狙う能力に身体は特化する。重さを伸ばしたければ重い領域の練習が必要。
  • 例)懸垂の回数を増やしたい → 自体重の高回数セット追加負荷の低回数を両方入れると速い。

2-8. RPE/RIRの使い方(実戦)

  • RPE:主観的きつさ(10=限界)。RIRと表裏一体。
  • 目安:**RPE7–9(RIR1–3)**が“効く&回復できる”ゾーン。
  • オートレギュレーション
    • 最終セットのRIRが3以上 → 次回**+レップ**
    • 0–1が続く → 次回**−重量 or −セット**

2-9. 可動域(ROM)とテンポ

  • 原則フルレンジ:関節が許す範囲でコントロール。反動は最小化。
  • テンポ表記(例:3-0-1-0)
    • 3:下ろす(エキセントリック)3秒
    • 0:ボトム停止なし
    • 1:上げる1秒
    • 0:トップ停止なし
  • 狙い:可動域と**張力のかかる時間(TUT)**をコントロールして“効かせどころ”を外さない。

2-10. ウォームアップは“階段”

  1. 5分の軽い有酸素(心拍を上げる)
  2. 空負荷/軽重量でフォーム確認(目的の可動域に入れる)
  3. 段階的に作業重量へ(作業重量の60%→80%→90%…各1–3レップ)

肩・股関節・足首の可動性ドリルは“足りない所だけ”短時間でOK。


2-11. よくある誤解(秒速で修正)

  • 「効いてる感=正義」記録の伸びが正義。パンプは副産物
  • 毎回限界まで追い込む疲労で翌週の質が落ちて遠回り
  • 種目をコロコロ変える同じ主力を8–12週は継続
  • 休憩を短くしすぎコンパウンドは90–180秒を確保
  • 可動域を削るPRフルレンジのPRの方が“伸びる体”になる

2-12. 今日決めること(チェックリスト)

  • 各部位の週ハードセット数(例:胸12・背14・脚12)
  • 主要リフトの反復レンジ(例:SQ 5–8、BP 6–12、DL 3–6)
  • 頻度(部位週2回)と休憩時間の基準
  • デロード週のタイミング(例:6週目)
  • RIRルール(RIR≥3 → 次回+レップ / RIR≤1連発 → −負荷)

プログラム設計:週3〜5で確実に伸びる型

“続けやすく・記録が伸びる”骨組みを作ります。ここでは分割の選び方→週セット配分→テンプレ3種→進め方まで一気に決めます。


3-1. 分割の選び方(決定フロー)

  • 週3回/60分前後全身3分割(A/B/C)
  • 週4回/60–75分上下分割(Upper/Lower×2)
  • 週5回/45–60分PPL(Push/Pull/Legs)を5日回し
  • 在宅・器具少ない → 全身 or 上下分割+自重/ダンベル置換

3-2. 週ボリュームの目安(部位ごとのハードセット)

  • 胸10–14/背12–16/脚(クアド)10–14/ヒンジ(ハム尻)8–12/肩10–14/腕6–10/体幹4–8
    → 目的に合わせて±2–4セット調整(脂肪減少期は総量−10〜20%)

3-3. 全身×週3(A/B/C)テンプレ

目的:初心者〜中級の土台作り。1回60分目安。RIR1–3。休憩90–180秒。

A(スクワット基軸)

  1. スクワット(ハイバー or ゴブレット) 5–8回×3–4
  2. ベンチプレス or ダンベルベンチ 6–12回×3–4
  3. シーテッドロウ or ベントロー 8–12回×3
  4. ルーマニアンDL 6–10回×3
  5. サイドレイズ 12–15回×2–3(短休憩)
  6. プランク 45–60秒×2–3

B(ヒンジ基軸)

  1. デッドリフト(床 or トラップバー) 3–6回×3
  2. オーバーヘッドプレス 5–8回×3–4
  3. ラットプル or 斜め懸垂 8–12回×3–4
  4. ブルガリアンスクワット 8–12回×3/脚
  5. インクラインDBカール 10–15回×2–3
  6. デッドバグ 8–12回×2–3

C(ボリューム補完)

  1. フロントスクワット or レッグプレス 6–10回×3–4
  2. ダンベルベンチ or ディップス(補助可) 8–12回×3–4
  3. ワンハンドロウ 8–12回×3/側
  4. ヒップスラスト 8–12回×3
  5. ケーブルフライ or 俯せリア 12–15回×2–3
  6. ハンギングレッグレイズ 8–12回×2–3

週の回し方:月A・水B・金C(火木は軽い有酸素/ストレッチ)


3-4. 上下分割×週4(Upper/Lower×2)

目的:中級へスムーズに移行。重・中を使い分けて伸ばす。

Day1 Upper(重)

  • ベンチ 4–6回×4
  • ベントロー 5–8回×4
  • OHP 6–8回×3
  • 加重懸垂 or ラットプル 6–10回×3
  • サイドレイズ 12–15回×3
  • トライセプスプレスダウン 10–12回×2

Day2 Lower(重)

  • スクワット 4–6回×4
  • RDL 5–8回×3
  • レッグエクステンション 10–15回×2–3
  • カーフ 10–15回×3
  • 体幹:アブローラー 6–10回×2–3

Day3 Upper(中/ボリューム)

  • インクラインDBベンチ 8–12回×4
  • シーテッドロウ 8–12回×4
  • ディップス or プッシュアップ 8–12回×3
  • フェイスプル 12–15回×3
  • DBカール 10–15回×2–3

Day4 Lower(中/ボリューム)

  • フロントSQ or レッグプレス 6–10回×4
  • ヒップスラスト 8–12回×3
  • レッグカール 10–15回×3
  • カーフ 12–20回×3
  • サイドプランク 30–45秒×2/側

配列:月U・火L・木U・金L(水は休み)


3-5. 週5 PPL(Push/Pull/Legs)

45–60分で細かく分散。翌週は開始日をずらしてローテーション。

  • Push:ベンチ 6–10×4/OHP 6–10×3/インクラインDB 8–12×3/サイドレイズ 12–15×3/プレスダウン 10–12×2
  • Pull:デッド(軽〜中)3–5×3/ペンドレー 5–8×3/ラットプル 8–12×3/フェイスプル 12–15×3/カール 10–12×2
  • Legs:スクワット 5–8×4/RDL 6–10×3/ランジ 8–12×2/脚/レッグカール 10–15×2/カーフ 12–20×3
  • Push2 / Pull2:同系統をレップ帯と種目を少しずらしてボリューム補填

3-6. 進捗管理(ルールを先に決める)

ダブル・プログレッション

  • レンジ上限で3セット達成+2.5kg(上半身)/+5kg(下半身)
  • 上限に未達 → **同重量で合計レップ↑**を狙う

RIRゲート

  • 最終セットがRIR≥3 → 次回「+レップ」
  • RIR0–1連発 → 次回「−重量 or −1セット」

停滞3回(3週連続で記録停滞) → セット−2〜4 or 反復帯を変更(6–10→8–12 など)


3-7. 8週間の運用例(週4・上下分割)

  • 週1–2:フォーム固め(RIR2–3、記録の“土台”作り)
  • 週3–4:負荷微増(各主力+2.5〜5kg or +レップ)
  • 週5:ボリューム微増(弱部位に+2–4セット/週)
  • 週6(デロード)重量&セット −40%/RIR4程度/可動域とテンポ重視
  • 週7–8:再加速(週4の記録を上回る)

3-8. 時短オプション(45分で終わらせるコツ)

  • 主力1–2種目は単独でしっかり休む
  • 以降は拮抗スーパーセット
    • ベンチ↔ラットプル、OHP↔ワンハンドロウ、スクワット↔カーフ
  • マシンはセーフティ&設置時間が短い物を優先

3-9. 在宅・器具置換表

目的動作バーベル/マシン在宅置換(自重/ダンベル/バンド)
スクワットバーベルSQ/レッグプレスゴブレットSQ/ブルガリアンSQ/バンドSQ
ヒンジデッド/RDLヒップヒンジ/DBRDL/バンドプルスルー
水平プッシュベンチプレスプッシュアップ(足上げ/加重)/DBベンチ
水平プルシーテッドロウワンハンドロウ/インバーテッドロウ
垂直プッシュOHPダンベルショルダープレス/パイクPU
垂直プルラットプル斜め懸垂/チューブプルダウン
体幹ケーブル/マシンプランク/デッドバグ/アブローラー

3-10. 休憩とテンポ(標準)

  • コンパウンド:90–180秒
  • アイソレーション:60–90秒
  • テンポ:3-0-1-0(下ろす3秒・止め0・上げ1秒・止め0)を基本に

3-11. ログの付け方(例・ベンチ)

  • 8–12×3,60kg10/9/8(RIR2/2/1) → 次回 **合計レップ↑**狙い
  • 12/11/10 達成 → 62.5kgに↑して 8–12に戻す
  • 備考欄に:可動域◎/ブリッジ崩れ×/右肩違和感△

3-12. よくある詰まりへの即応

  • フォームは良いのに記録が止まる → 休憩延長(+60秒)or 反復帯変更
  • 集中力がもたない → 主力だけ先にやる/BCAAではなく水+塩+カフェイン(摂取可の人)
  • 関節が重い → その部位の週セット−20%+可動域を一段浅く一時運用

3-13. 今日決めること(チェックリスト)

  • 分割(全身3/上下4/PPL5)
  • 週ごとの部位セット数
  • 主力種目の反復帯(例:SQ5–8、BP6–12、DL3–6)
  • RIRゲートデロード週
  • 在宅時の置換種目リスト

種目選定:最小種目で最大リターン

“何をやるか”で成果の8割が決まります。ここでは少数精鋭の種目で全身をカバーし、器具や体の個性に応じて迷わず置換できるようにします。


4-1. 原則(超要点)

  1. 多関節(コンパウンド)を主役:スクワット/ヒンジ/プレス/ロウ。
  2. 動作パターンで考える
    • 下半身:スクワット系ヒンジ系片脚
    • 上半身:水平プッシュ水平プル垂直プッシュ垂直プル
    • 体幹:アンチエクステンション(反り防止)・アンチローテーション(ねじれ防止)
  3. 肩と腰を守る配分プル≥プッシュ(目安1.2〜1.5倍)。
  4. 目的に直結:筋力→重い領域の練習、筋肥大→中レップ中心、減量→フォーム維持&全身量の最適化。

4-2. “最小コア8”——これだけで全身OK

各パターンから1種目ずつ、合計8種目を中核に据えます(週3〜4回で回す)。

  1. スクワット系:バーベルスクワット/レッグプレス/ゴブレットSQ
  2. ヒンジ系:デッドリフト/ルーマニアンDL(RDL)/ヒップスラスト
  3. 片脚:ブルガリアンSQ/ランジ
  4. 水平プッシュ:ベンチプレス/DBベンチ/プッシュアップ(加重可)
  5. 水平プル:シーテッドロウ/ワンハンドロウ
  6. 垂直プッシュ:オーバーヘッドプレス(OHP)/DBショルダープレス
  7. 垂直プル:懸垂(補助可)/ラットプルダウン
  8. 体幹:プランク/デッドバグ/アブローラー

余力があればアクセサリ2〜4種(サイドレイズ/フェイスプル/レッグカール/カーフ)を追加。


4-3. 目的別の選び方(どれを“柱”にするか)

  • 筋力向上:SQ・BP・DL(またはTrap Bar DL)を柱2〜3本。低〜中回数で練習。
  • 筋肥大:各パターンから快適な可動域を取りやすい種目を選択(DB・マシン歓迎)。中レップ(6–12)中心。
  • 脂肪減少:コア8は維持、フォーム劣化しにくい種目(レッグプレスやケーブル系)で総量を確保。

4-4. ビッグ3とその“賢い代替”

スクワット

  • 標準:ハイバー/ローバー
  • 代替:フロントSQ(膝主導で体幹強化)、レッグプレス(腰温存)、ゴブレットSQ(在宅・可動域学習)
  • こんな人に:膝が怖い→ボックスSQで可動域を限定

ベンチプレス

  • 標準:フラットベンチ
  • 代替:DBベンチ(肩に優しい中立〜やや回外グリップ)、インクラインDB(上胸)、プッシュアップ加重(在宅)
  • 肩前面が張る→スライトアーチ+肩甲骨の寄せ/DBに置換

デッドリフト

  • 標準:フロアDL
  • 代替:トラップバーDL(腰に優しい)、RDL(ヒップヒンジ学習&ハム狙い)、レッグカール+ヒップスラスト(分割置換)
  • 腰が不安→トラップバー or RDLを主役に

4-5. 関節にやさしい置換ガイド

  • 肩がつらいプレス → DBベンチ/マシンプレス/レンジ短縮(肩より下で止める)
  • 肘がつらいロウ → ニュートラルグリップ(ワンハンドDB/ケーブル)
  • 膝がつらいスクワット → ボックスSQ/レッグプレス(足を上に置く)
  • 腰がつらいヒンジ → トラップバーDL/ヒップスラスト/RDL(軽中重量)

4-6. プッシュ/プルのバランス(肩甲帯ケア)

  • 水平プルの総レップ ≥ 水平プッシュ
  • フェイスプル or 俯せリア週2–3回で肩の外旋・下制を強化
  • 垂直系はプル:プッシュ=1:1を目安に

4-7. 家でも迷わない置換リスト(簡潔版)

動作ジム優先家トレ置換(強度↑の順)
スクワットバーベルSQ/プレスゴブレット → ブルガリアン → ピストル進行
ヒンジDL/RDL/スラストヒップヒンジ → DBRDL → ヒップスラスト(片脚)
水平プッシュベンチ/マシンプッシュアップ → 足上げ → 加重
水平プルロウ各種ワンハンドDB → インバーテッドロウ(テーブル)
垂直プッシュOHPDBショルダープレス → パイクPU
垂直プルラットプル/懸垂斜め懸垂 → チューブプルダウン
体幹ケーブル/マシンプランク → RKCプランク → アブローラー

4-8. セットの“気持ちいい最小構成”

  • 主力4種+補助2種=6種/回(60分前後)
    • 例:SQ/ベンチ/ロウ/RDL+サイドレイズ+プランク
  • 時間がない日(45分)
    • 主力2種を単独でしっかり休む → 残りを拮抗スーパーセット(ベンチ↔ロウ など)

4-9. キャリー(持ち運び種目)で“全身まとめ取り”

  • ファーマーズウォークスーツケースキャリー(片手):握力・体幹・肩安定性を同時強化
  • スペースがなければスタティックホールド(片手ダンベル保持30–45秒)

4-10. よくある種目選定ミス

  • 見栄え種目に偏る → 動作パターンが穴だらけになる
  • “苦手だから外す” → 苦手動作は軽いバリエーションで残す
  • 週ごとにコロコロ変更 → 8–12週は同じ主力で記録を追う
  • 可動域が狭いPR狙い → フルレンジ基準で伸ばす(安全+将来性)

4-11. 今日決めること(チェックリスト)

  • 最小コア8の自分版リスト
  • 各コア種目の在宅置換(1つずつ)
  • 肩・腰保護の代替案(各1つ)
  • プル≥プッシュの配分(例:水平プル12セット/水平プッシュ10セット)
  • “忙しい日”の短縮版6種メニュー

フォームと安全:怪我ゼロで長く伸びる

「効くフォーム=安全なフォーム」。ここではブレーシング(体幹固定)・呼吸・セーフティ設定を中心に、主要種目のキュー(合図)と崩れの直し方をまとめます。


5-1. 安全の3原則(超要点)

  1. 脊柱を中立に保つ(胸を高く・肋骨は締める/骨盤は過度に前後傾させない)
  2. 360°ブレーシング(腹だけでなく横・背中側まで空気を入れて固める)
  3. 可動域は“痛みゼロ”でコントロール(反動×/末端で止める)

5-2. 360°ブレーシングと呼吸

  • 手順:鼻で息を吸う→腹・脇腹・腰回りを全方向に膨らませる→お腹を軽く前に押し返す→その圧を維持して挙上。
  • 低〜中回数:1レップごとに短いバルサルバ(強く息みすぎない)。
  • 高回数:トップで2–3呼吸してから次レップへ。
  • 注意:高血圧など心配があれば、息を止める時間を短くし、トップで十分に呼気を取る。

合図:「缶を潰さない」「ベルトを360°に押す


5-3. ギア(使いどころ)

  • ベルト:主力リフトで中〜重重量に。お腹を押し当てる面があれば布でもOK。
  • リストラップ:ベンチ/OHPの手首の折れ対策。
  • ニースリーブ:膝の温保持・軽いサポート。
  • リフティングシューズ:スクワットの足首可動域不足に有効。
  • どれもフォーム>ギア。まず動作を整えるのが先。

5-4. セーフティ設定&失敗時の対処

  • パワーラック
    • スクワット:ボトムで尻がセーフティに触れる高さに設定。
    • ベンチ:胸を張った状態でバーが胸に触れる直前バーがセーフティへ当たる高さ
  • 失敗時
    • スクワット…上がらないと感じたら前傾を少し増やしてセーフティへ座らせる(無理に立ち戻らない)。
    • ベンチ…セーフティ必須。スポッターがいない時は重量を守る。
  • カラー(留め具):基本使用。ただしベンチの単独練で“最終手段のスライド逃がし”を残したい時だけ外す選択も(推奨はセーフティ使用)。

5-5. 主要種目のキュー(合図)とよくある崩れ

スクワット(ハイバー想定)

  • セットアップ:足は肩幅±、つま先やや外。三点荷重(拇指球・小指球・踵)。
  • 下ろし:「お尻を後ろ&膝を前へ同時」「胸は高く」。
  • 上げ:「床を押す」「膝と胸を同時に上げる」。
  • 崩れ→修正
    • 膝が内へ:つま先と同方向へ「膝を外へ」/重さ減。
    • 背中が丸まる:胸高く・肘下向き/コア強化/重量減。
    • かかとが浮く:リフティングシューズorカーフの下に薄板/足首ドリル。

デッドリフト(床引き)

  • セットアップ:「靴紐の上にバー」「脛1–2cm手前」。
  • 合図:「股関節を畳む(ヒンジ)」「脇を前に挟む=ラットに力」「地面を自分に引き寄せる」。
  • 上げ:バーを脚に沿わせて真上へ。膝が過ぎたら尻を絞る
  • 崩れ→修正
    • 腰が先に上がる:すね角を保つ背中の緊張先行
    • バーが離れる:スネ・太腿に沿わせるラットを前に締める(ポケットへ押し込む感覚)。
    • 背丸まり:胸を前に向ける/作業重量−10〜20%。

ベンチプレス

  • セットアップ:肩甲骨寄せて下げる(下制)/軽いアーチ。肩・尻・足は常時接地。
  • 軌道:下ろしは乳頭線よりやや下、上げは顔方向へ軽く斜め
  • 上腕が胴体に対し30–45°
  • 崩れ→修正
    • 肩前が痛い:肘を内に少し入れるDBベンチへ置換。
    • 手首が折れる:バーは掌の中心(親指付け根)/リストラップ。
    • お尻浮き:足で床を押す方向を前へ/重量調整。

オーバーヘッドプレス(OHP)

  • セットアップお尻と腹を同時に締める(骨盤中立)。
  • 軌道:バーは鼻→頭頂の前を通過、頭を通す
  • 崩れ→修正
    • 反り腰:尻締め・肋骨を下げる/重量減。
    • 手首折れ:肘をバーの下に、前腕垂直

ロウ(シーテッド/ワンハンド)

  • 合図:「胸を高く」「肘を後ろポケットへ」。
  • 可動域:前で肩甲骨を前に出す→引く時寄せる
  • 崩れ:体を反らせ過ぎ→胴体角度を固定/反復帯を8–12に。

懸垂

  • スタート:ぶら下がりで肩を“下げて”から引く(アクティブハング)。
  • 合図:「胸をバーへ」「肘を脇腹へ」。
  • 崩れ:脚バタつき→軽い足組み/テンポ2-0-1-0

ヒップスラスト

  • 合図:「顎を引く」「肋骨下げて骨盤を後傾」。
  • トップ尻を固めて2拍、腰で反らない。

5-6. 5分ウォームアップ(最小)

  1. 軽有酸素2分(バイク/トレッド)
  2. 関節スイッチ
    • 足首ロッカー×10/脚
    • ヒップエアプレーン×5/側
    • Tスパイン回旋×5/側
  3. 種目別の段階上げ:作業重量の30%×8 → 50%×5 → 70%×3 → 85%×1 → 本番

5-7. 痛みが出た時の判断フロー

  • 赤旗(即中止&専門家へ):鋭い痛み・しびれ・力が抜ける・腫れ/熱感が強い・夜間痛。
  • 黄旗(当日内で調整):違和感・突っ張り・片側の張り強め。
    1. 可動域−25〜50%
    2. 重量−10〜30% or RIR+2
    3. 近縁種目へ置換(スクワット→レッグプレス/ベンチ→DB)
    4. 痛み0〜2/10で動けるなら継続、>3/10なら終了

5-8. よくある崩れ→即修正(早見表)

症状ありがち原因速攻対策
肩前が張る(プレス)肘が開きすぎ/肩甲骨が上がる肘30–45°/肩甲骨下制/DBへ一時置換
腰が重い(スクワ・デッド)反り腰/急激なボリューム増肋骨を下げる/週セット−20%/RDLへ
膝ウズウズ(スクワ)ニーイン/足圧が前すぎ膝はつま先方向三点荷重/箱スクワ
肘痛(ロウ・懸垂)手幅・グリップ固定ニュートラル握り/手幅調整/反復帯↑

5-9. 自主チェック(動画撮影)

  • 角度
    • スクワ:斜め後ろ45°(膝・腰・バー軌道)
    • デッド:真横(背中角度・バーが脚に沿うか)
    • ベンチ:足元側斜め(肘角・軌道)
  • 見る点バー軌道は垂直に近いか/終始中立脊柱か/左右差
  • メモ:各セットにRIR気づき1行

5-10. 今日決めること(チェックリスト)

  • ラックのセーフティ高さ(スクワ/ベンチ)
  • 自分のブレーシング合図(例:「360°膨らませる→押す」)
  • ウォームアップ段階の固定(30/50/70/85%)
  • 痛み時の置換リスト(各動作1つ)
  • 動画撮影角度と保存先(アルバム名:Form Check)

食事戦略:結果を決める“もう半分”

トレは“刺激”、食事は“材料とエネルギー”。ここでは体重・体型・パフォーマンスを最短で動かすための、カロリーとPFC(たんぱく質・脂質・炭水化物)の決め方、タイミング、サプリ活用まで一気に固めます。


6-1. まずは土台:エネルギーバランス

  • 維持カロリー(TDEE目安):体重(kg) × 33kcal(デスクワーク)±4kcal
    • 例)70kg → 約 2310kcal(個体差あり。2週間の体重変化で微調整)
  • 目的別カロリー設定
    • 脂肪減少:維持 − 300〜500kcal/日
    • 筋肥大(リーンバルク):維持 + 150〜300kcal/日
    • 体重を動かさず体型改善:維持±0でPFC最適化

6-2. PFCの決め方(シンプル基準)

  • P(たんぱく質)1.6–2.2 g/kg体重(目安2.0g)
  • F(脂質)0.6–1.0 g/kg(ホルモン・皮膚・関節の最低ラインを確保)
  • C(炭水化物):残りをすべて(トレの燃料・回復の主役)

1gのカロリー:P=4kcal / C=4kcal / F=9kcal

計算例(70kg・減量期、カロリー2200kcal)

  • P:2.0×70=140g(560kcal)
  • F:0.8×70=56g(504kcal)
  • C:(2200−560−504)/4=284g
    P140 / F56 / C284

6-3. 食事タイミング(“一日の合計”が最優先)

  • たんぱく質20–40g3–5回/日に分ける(間隔3–4h)。
  • トレ前(60–180分):P20–40g + C30–60g(脂質は軽め)。
  • トレ後(〜2時間):P20–40g + C30–80g(合計摂取が大事、時間は“保険”)。
  • 就寝前:P20–40g(カゼインや脂質を少し足すと腹持ち◎)。

6-4. 水分・電解質

  • 水分:体重×35ml/日 + トレ中500–1000ml/時
  • 塩分(ナトリウム):発汗が多い日は300–500mg/時を目安に追加(高血圧の人は医師指導に沿う)。

6-5. 食材の“優先度表”

目的高優先中優先ほどほど/置換
たんぱく質鶏胸/もも皮なし、卵、白身魚、鮭、ツナ、大豆・豆腐、ギリシャヨーグルト、ホエイ赤身牛/豚、サバ、納豆、カッテージ加工肉(脂塩高め)
炭水化物白米/オートミール/全粒パン、芋類、果物そば/うどん、コーン/枝豆菓子パン・砂糖飲料(量を決めて)
脂質オリーブ油、アボカド、ナッツ、卵黄、青魚ダークチョコ70%揚げ物・加工菓子油脂

6-6. 外食・コンビニで迷わない選び方

  • 主食:白米小〜中、蕎麦、握り寿司(マヨ系避け)
  • 主菜:焼き魚、鶏胸グリル、牛赤身ステーキ、冷奴
  • プラス:サラダ+ノンオイル、味噌汁
  • 避けがち:丼+揚げ物+甘味の同時三役(脂質×糖質×量の暴走)
  • コンビニ定番:おにぎり+サラダチキン+無糖ヨーグルト/ゆで卵

6-7. 1日のモデル献立(そのまま使える)

A. 減量2200kcal(P140/F56/C284)

  • 朝:オートミール60g+ホエイ30g+バナナ1本+無脂ヨーグルト
  • 昼:ご飯200g・鶏胸150g・サラダ(ノンオイル)・味噌汁
  • トレ前:おにぎり1個+ホエイ20g
  • トレ後:バナナ1本+低脂肪乳200ml
  • 夕:白身魚200g・じゃがいも250g・ブロッコリー・オリーブ油小さじ2
  • 間:カッテージチーズ100g or 納豆1P

B. リーンバルク2560kcal(P140/F56/C374)

  • 朝:ご飯250g・卵2・ツナ水煮・味噌汁
  • 昼:パスタ120g(トマト)・鶏胸150g・オリーブ油小さじ2
  • トレ前:バナナ+蜂蜜少々+ホエイ20g
  • トレ後:おにぎり1〜2個+低脂肪乳
  • 夕:牛赤身200g・白米200g・サラダ
  • 就前:ギリシャヨーグルト200g+はちみつ少量

6-8. 記録と調整(2週間サイクル)

  1. 毎日:摂取カロリー・PFC・歩数・就寝時刻を簡単に記録
  2. 毎朝:体重を測り週平均で判断
  3. 2週間後に判定
    • 減量:体重0.5–1.0%/週落ちない → −100〜150kcal
    • 増量:体重0.25–0.5%/月増えない → +100〜150kcal
    • 体型が崩れる/空腹・疲労強い → 脂質+10g or 炭水+25–50gで様子見

6-9. サプリは“最後に足す調味料”

  • ホエイプロテインPの穴埋め用。吸収が速く扱いやすい。
  • クレアチン一水和物3–5g/日。高強度パフォーマンス&筋量の底上げ。
  • カフェイン3–6mg/kgをトレ60分前(敏感なら少量)。睡眠を壊さない時間に。
  • ビタミンD:日照不足・血中値低そうなら医療の指導や検査を前提に。
  • ω-3(フィッシュオイル):青魚が不足する人向け。
  • 電解質(塩/マグネシウム):大量発汗時のケアに。

まずは食事の土台>睡眠>水分。サプリは**“+5%の上積み”**と考える。


6-10. よくある迷い&神話

  • 「タンパクは多いほどいい?」 → 上限を超えるとCとFが不足して伸びにくい。2.2g/kgを上限の目安に。
  • 「夜遅く食べると全部脂肪?」一日の合計が支配的。就寝直前は消化に重くない物を。
  • 「糖質は太る?」 → カロリー管理下では筋トレの味方。量とタイミングが鍵。
  • 「アルコールは?」 → 少量でも回復・筋合成を邪魔。飲むなら量と頻度を決める(例:週1–2回、ビール350ml相当1本)。

6-11. キッチン最小装備&買い物リスト

  • 装備:キッチンスケール/保存容器/電子レンジ/冷凍庫スペース
  • 常備:冷凍鶏胸・白身魚・ミンチ赤身、冷凍ブロッコリー、米・オートミール、卵、納豆、ギリシャヨーグルト、ツナ缶、バナナ、じゃがいも、オリーブ油

6-12. 今日から回すチェックリスト

  • 維持カロリーの仮設定(体重×33kcal)
  • 目的別に**−400 / +200kcal**でスタート
  • P2.0 / F0.8 / Cは残りで算出(gに直す)
  • 1日4回のP20–40gの配置
  • トレ前後のC30–60gを確保
  • 水分:体重×35ml + トレ中500–1000ml
  • 2週間後に体重の週平均で再調整

回復と睡眠:伸びが止まる本当の理由

伸びない最大の理由は「刺激不足」ではなく回復不足。ここでは睡眠設計・デロード・アクティブリカバリー・ストレス管理を“運用できる形”に落とします。


7-1. フレーム:刺激→回復→適応(SRA)

  • 刺激(トレ)で疲労↑&性能一時↓
  • 回復(睡眠・栄養・休息)でベースに戻る
  • 適応(超回復)でベースが前より↑

結論:同じ強度なら回復が良い人が勝つ。トレを足す前に回復を積む。


7-2. 睡眠デザイン(7–9時間を“再現性”で確保)

就寝ルーティン(目安45–60分)

  • 3-2-1 ルール
    • 3時間前:重い食事&アルコールを終える
    • 2時間前:仕事・強い議論を切る
    • 1時間前:強い光・SNSを切る(ナイトモード+暗所
  • カフェイン:就寝8–10時間前まで(敏感なら昼で打ち止め)
  • 光のコントラスト
    • 朝:10–15分の自然光/屋外
    • 夜:暖色・間接照明(500lx以下を目安)
  • 寝室環境:温度18–20℃、暗室(遮光)、静音 or ホワイトノイズ、枕は首が一直線になる高さ
  • 入眠の型:ぬるめシャワー、軽ストレッチ、日記1行(「今日できたこと」)
  • 昼寝10–20分(15時まで)。90分の長い昼寝は夜に響きやすい

7-3. デロード(計画的に“楽週”を入れる)

  • 頻度4–8週ごと or 「主要種目が2回連続で記録↓+主観疲労↑」
  • やり方(1週間)
    • 重量 −30〜50% or セット −40%
    • RIR4前後(余力をたっぷり残す)
    • 可動域・テンポ重視、関節に優しいバリエーションへ置換可
  • 目的:次サイクルでPR更新する“助走距離”を作る

7-4. アクティブリカバリー(翌日の体が軽くなる動き)

  • ゾーン2有酸素(会話できる強度)20–30分:バイク/速歩
  • モビリティ10分:胸椎回旋・股関節・足首を中心に“足りない所だけ”
  • 歩数8,000–10,000歩/日(NEATの底上げで回復循環を促進)

7-5. 疲労モニタ(主観×簡易バイタル)

毎朝 60秒でOK(アプリやメモで)

  1. 睡眠:時間(h)/質(10点満点)
  2. 安静時心拍:普段より**+5bpm**が2–3日続いたら黄色信号
  3. HRV(心拍変動):3日移動平均が本人基準で連続低下→負荷を−10〜20%
  4. 主観疲労/RPE:ウォームアップがやけに重い日が連続→ボリューム調整
  5. 握力 or ジャンプ(任意):ベースから**−5〜10%**で黄色信号

HRVミニ解説:数値が高いほど副交感神経優位=**回復◎**の傾向。単日より傾向を見る。


7-6. オートレギュレーション(その日の体に合わせる)

  • ウォームアップ基準:予定重量がRIR≤1に感じたら**−2.5〜5kg**(上半身)/−5〜10kg(下半身)落とす
  • ボリューム調整:その部位の**週セット −20%**を一時適用(痛み・強疲労時)
  • 強度日とボリューム日の入れ替え:同週内で順序を柔軟に

7-7. ストレス管理(神経系を落ち着かせる)

  • 呼吸
    • ボックスブリージング4-4-4-4を3分
    • 長い呼気:吸う4秒→吐く6–8秒×3分(副交感↑)
  • 5分マインドフル:音ガイドでOK。就寝前かトレ前
  • シャットダウン儀式(仕事の終わりを可視化):ToDo棚卸し→明日の最初の1手を書く→PCを物理的に閉じる

7-8. 食事×睡眠の相乗効果

  • 就寝2–3時間前炭水化物を少量(おにぎり半個など)→入眠を助ける人が多い
  • 寝酒NG:入眠は早くなるが深睡眠が削れる
  • 夜間のこむら返り:水分+**電解質(塩・Mg)**が不足していないか確認

7-9. 出張・夜更かし・交代勤務の応急処置

  • 夜更かし後
    • トレは短縮(主力2種のみ、RIR2–3)
    • カフェインは午前中だけ
    • 翌晩の就寝固定を最優先(昼寝20分まで)
  • 時差/出張:到着後すぐ朝の光軽い全身(プッシュアップ/スクワット)
  • 交代勤務寝る前3–4時間は強光×、遮光アイマスク&耳栓、寝る前は炭水+タンパ少量

7-10. よくある回復ミス(即修正)

  • 毎回RIR0〜1で潰す → RIR1–3を基本へ
  • デロードを“サボる” → 性能が下がる前に計画的に入れる
  • ベッドでSNS→脳が覚醒 → 機内モード&本/紙へ
  • 休憩を削って密度だけ上げる → 翌週の質が落ちて総量−

7-11. 今日からの回復チェックリスト

  • 就寝時刻を固定(例:23:30)
  • 3-2-1ルールをメモに貼る
  • カフェインカット時刻:__時
  • デロード週:__週目に設定
  • 毎朝の60秒モニタ(睡眠/心拍/主観)を開始
  • 週2回の**ゾーン2(20–30分)**を予定に入れる

進捗の測り方:体組成&パフォーマンス

「測り方」を決めておくと、迷いが消え、修正が速くなります。ここでは何を・いつ・どう測るかと、結果の読み解き→修正までをテンプレ化します。


8-1. 測るもの(優先度つき)

A. 最重要(毎週)

  • 週平均体重:朝一・排泄後・同条件で毎日測定→7日平均を見る
  • ウエスト周径:臍ライン、軽く息を吐いて週1–2回
  • 進捗写真:正面/側面/背面、同光源・同距離・同ポーズで週1回

B. 重要(毎回のトレ)

  • 重量×回数×セット(主力は必ず)
  • RIR/RPE(最終セットでOK)
  • 可動域・フォームの所感(1行メモ)

C. 補助(2〜4週ごと)

  • 推定1RM(後述)/指定重量の最大レップ
  • 周径(上腕・大腿・臀部・胸囲)
  • 主観疲労・睡眠時間の平均

8-2. 体組成のリアル:何で判断する?

  • 体重は“総量の指標”で短期は水分に左右(塩分/炭水化物/月経で±1–2kgは普通)。
  • ウエスト脂肪の変化に敏感。見た目と相関が高い。
  • 体脂肪率(家庭用BIA)は日内変動が大同条件でトレンドだけ参照。
  • 写真が最強の総合判定。光とポーズを固定すれば差分が明確

結論:体重(週平均)×ウエスト×写真を主軸に、BIAはおまけ


8-3. 推定1RMと“定点レップ”の使い分け

A) 推定1RM(e1RM)の簡便式

  • Epley式:e1RM = 使用重量 × (1 + 0.0333 × 反復数)
    • 例:60kg×10回 → 60×(1+0.333)=80kg
  • 毎回テストは不要。通常練習のベストセットから算出してトレンドを見る。

B) 定点レップ(おすすめ)

  • 固定重量で“何回できるか”を4週ごとに測る(例:ベンチ60kgの最大レップ)。
  • 技術影響が少なく比較しやすい。減量中でも回数↑ならOK判断しやすい。

8-4. スプレッドシート雛形(列だけ決めれば勝ち)

  • 日付/体重(朝)/カロリー/P/F/C/歩数/就寝時刻
  • 種目/重量/回数/RIR/メモ
  • 週平均体重(自動)/ウエスト/写真リンク(アルバムURL)
  • e1RM(関数)/指定重量の最大レップ

まずは入力が5分で終わる量に。細かすぎる台帳は続かない。


8-5. 判定ルール(2週間サイクル)

目的:脂肪減少

  • 週平均体重が0.5–1.0%/週落ちない → −100〜150kcal/日
  • ウエストが停滞&パフォーマンスも↓ → 睡眠・塩分・便通を先に整える
  • 落ち過ぎ(>1%/週)&元気がない → +100kcalまたはデロード

目的:筋肥大

  • 体重が0.25–0.5%/月増えない → +100〜150kcal/日
  • ウエストが急増(>1.0cm/2週)→ +カロリーは据え置き炭水/脂の内訳調整&NEAT↑

目的:筋力

  • e1RMが3週連続停滞反復帯を変更(5–8→3–5 or 6–10)、週セット−2〜4デロード検討

8-6. 典型パターンの読み解き

  • 体重↘ / ウエスト↘ / 回数↗:理想。現状維持。
  • 体重→ / ウエスト↘ / 回数↗リコンプ(体型改善)。そのまま。
  • 体重↗ / ウエスト→ / 回数↗:クリーンに増量できている。微増継続。
  • 体重↘ / ウエスト→ / 回数↘:落とし過ぎ。+100kcal or デロード
  • 体重↗ / ウエスト↗ / 回数→:カロリー過多。−150kcal+歩数↑。
  • 記録も体型も停滞睡眠・ストレス・塩分・水分を先に見直し→それでもダメなら種目/反復帯変更

8-7. 写真・採寸の運用Tips

  • 週1回・朝、同じ場所/光(窓の向きも固定)。
  • スマホ三脚+セルフタイマーで距離一定。
  • ポーズ:自然立ち/力みすぎない。
  • 採寸は柔らかいメジャーで皮膚を潰さない程度に軽く。

8-8. “PRの種類”を増やす(成長の証拠を見える化)

  • 重量PR:同レップで重量更新
  • レップPR:同重量で回数更新(最重要)
  • ボリュームPR:合計レップやトン数↑
  • フォームPR可動域フル停止付きでの更新
  • 疲労管理PRRIRを保ったまま同記録 
    → どれも立派な成長。重量だけに縛られない。

8-9. 月次レビュー(30分で完了)

  1. 体重・ウエスト・写真を月初と比較
  2. 主要3種のe1RM推移定点レップ
  3. 弱点(部位/動作)を1つだけ選ぶ
  4. 次の4週間のボリューム配分反復帯を微調整
  5. 行動KPI(睡眠/たんぱく/歩数)達成率を出す

8-10. よくある測定ミス

  • 単日の体重で一喜一憂 → 週平均で見る
  • 光や距離が毎回違う写真 → 再現性ゼロになる
  • RIR未記録 → 漸進の判断材料が消える
  • e1RMばかり狙って毎週テスト疲労が蓄積、練習が崩れる
  • BIAの数値に振り回される → 同条件のトレンドのみ

8-11. そのまま使える“進捗スコアカード”(週次)

  • 体重(週平均):__ kg(先週比 __ kg)
  • ウエスト:__ cm(先週比 __ cm)
  • ベンチ60kg 最大レップ:__ 回
  • スクワ推定1RM:__ kg(先月比 __ kg)
  • 睡眠平均:__ h/たんぱく平均:__ g/歩数:__
  • 一言レビュー(良かった・直す):____
  • 来週の微調整:カロリー ±__kcal/セット ±__

8-12. 今日やることチェックリスト

  • 毎朝計測→7日平均のセルを作る
  • ウエスト曜日を固定(例:水・土の朝)
  • 定点レップ種目を決める(例:ベンチ60kg・懸垂自重)
  • スマホに進捗アルバム作成(“Week01”“Week02”…)
  • 月末の30分レビュー枠をカレンダーに確保

停滞打破:プラトー脱出の実践テク

3週以上メイン指標(重量・回数・e1RM)が止まったら“停滞”のサイン。
ここでは重さ/回数/セット/密度/可動域の5レバーを使い、安全に再加速する具体策をまとめます。


9-1. まずやる“停滞トリアージ”(チェック→処方)

  1. 回復:睡眠7h未満・カロリー/タンパ不足 → まず整える(1–2週)。
  2. フォーム:動画で可動域・軌道・ブレーシングを再確認。
  3. RIRログ:最近RIR0〜1が連発してないか? → RIR1–3へ戻す。
  4. 選ぶ処方
    • 重さが止まる → 反復帯変更 or マイクロロード
    • 回数が止まるリラップ(短休息再開) or AMRAP
    • 特定局面で失速スピードワーク/ポーズ/部分可動
    • 疲労感が強いデロード or 週セット−20%

9-2. 5つのレバー(調整軸)

A) 重さ(負荷)

  • マイクロロード:+0.5–1.25kg(上半身)/+1.25–2.5kg(下半身)
  • ウェーブ:例)6-4-2(週ごとに重く短レップ)→再び6に戻す

B) 回数(レップ帯)

  • レンジ変更:6–10で停滞→8–12へ(筋肥大寄り)or 3–6へ(筋力寄り)
  • トップセット+バックオフ
    • 例)重1セット(RIR1)−10%で2–3セット(RIR2)

C) セット(ボリューム)

  • 弱部位+2–4セット/週(2週間だけ)→過負荷になりすぎたら戻す
  • 疲労多すぎ:その部位**−20%**(2週間)

D) 密度(休憩・時間あたり仕事量)

  • 休憩延長:コンパウンドは**+60–120秒**で質↑
  • EMOM/EDT(上級)で心拍だけ上げ過ぎないよう注意

E) 可動域(ROM)

  • 延長:ベンチ2秒ポーズ/SQボトム停止/DLデフィシット
  • 部分可動:ベンチ3/4レンジ上部・SQピンSQ詰まり所を狙い撃ち

9-3. テクニック3種(安全運用ルール付き)

① マイクロロード(小刻み増量)

  • 使いどころ:ベンチ・OHP・DB系など小筋群の停滞
  • ルールPR後に+0.5–1.25kg2週失敗で戻す(−2.5kg or レップ増へ)

② リラップ(短休息でレップ回収=レストポーズ/クラスタ)

  • やり方:目標12回に対し 10回→10–20秒休む→2回“回収”=12回達成
  • 使いどころ定点レップがあと2–3回足りない
  • ルール最終セット限定週1回まで。疲労が強い時は実施しない

③ スピードワーク(動作速度で壁突破=ダイナミックエフォート)

  • やり方50–65%1RM×2–3レップ×6–8セット爆発的に上げてコントロールで下ろす(休憩60–90秒)
  • 使いどころ:ロックアウト弱い/バー速度が遅い種目
  • ルール:フォーム崩れ×、週1日、本番の補助として

9-4. “詰まり所”別のピンポイント処方

スクワット

  • ボトムで潰れるポーズSQ(2秒)テンポ3-0-1-0で下ろしを丁寧に
  • 前傾が強すぎフロントSQで体幹鍛える/コア・広背強化
  • ニーイン → 足圧三点を意識/バンドアブダクションをウォームアップに

ベンチプレス

  • 胸で止まる2秒ポーズスパソ(ゆっくり下ろし)
  • 中盤〜上で失速ボード/ピンベンチ三頭筋(プレスダウン・JMプレス)
  • 肩前が痛いDBベンチ期間限定置換+フェイスプル増量

デッドリフト

  • 床離れしないデフィシットDL(5cm高)/脚主導のレッグプレス補助
  • 膝過ぎで止まるラックプルヒップスラスト
  • 背が丸まるRDLでヒンジ学習/作業重量**−10〜20%**で再構築

9-5. 具体例(そのまま試せる)

例1:ベンチ60kgが「10/9/8」で3週停滞

  • 週1:トップ60kg×AMRAP(RIR1)55kgに−8〜10%で 10–12×2
  • 週2:60kgを「10/10/9」を狙う(マイクロロードは保留)
  • 週3:60kg 12/11/10を達成 → 62.5kgに**+2.5kg**(レンジ8–12へ戻す)

例2:スクワットがボトムで毎回潰れる

  • 2週間:ポーズSQ(2秒)を主力に、通常SQは−10%でバックオフ2–3セット
  • ウォームアップに股関節外旋ドリル30秒×2
  • 3週目:通常SQに戻し前回重量−2.5kgから再加速

例3:デッドの床離れが重い&腰が張る

  • 2週間:デフィシットDL 3–5回×4RDL 6–10回×3
  • セット間休憩**+60秒**でフォーム徹底
  • 3週目:通常DLに戻し**−5kg**から再構築→週4で前記録更新

9-6. いつ“種目”や“分割”を変えるか

  • 変える根拠
    • 8–12週やり切ってe1RM/レップPRが横ばい
    • 痛み・恐怖で主力の再現性が落ちる
    • 生活が変化(忙しさ・睡眠)で分割の維持が難しい
  • 変え方の原則
    • 動作パターンは維持(スクワット系を別バリエに等)
    • 一度に変えるのは1–2要素まで(種目+レップ帯、など)
    • 2–4週学習期間としてPRは求めない

9-7. “停滞の型”早見表

症状原因あるあるまずやること追加テク
重量が全く伸びないRIR攻め過ぎ/睡眠不足RIR1–3に戻す/睡眠7–9h反復帯変更/マイクロロード
回数が伸びない休憩短すぎ/密度追いすぎ休憩+60–120秒リラップ/AMRAP
ロックアウトで失速速度不足/三頭弱いスピードワークピンベンチ/三頭補助
ボトムで潰れる可動域・姿勢ポーズレップテンポ(3秒下ろし)
体が重い・関節が痛いボリューム過多週セット−20%デロード

9-8. 「テクを足す前に減らす」原則

  • 停滞時に種目・テクを増やしすぎると回復が破綻
  • まず“質”(フォーム・休憩・RIR)→次に“量”最後にテクの順で。

9-9. 今日やる停滞対策チェックリスト

  • 停滞の種類を特定(重量?回数?局面?疲労?)
  • RIRログを見直し(RIR1–3に統一)
  • 処方1つだけ選ぶ(例:ポーズSQ or マイクロロード)
  • 2週間だけ実施→3週目に再評価
  • それでもダメならデロード反復帯を変更

結論・まとめ(エグゼクティブサマリー)

最短で伸びる人は、**刺激(トレ)×材料(食事)×回復(睡眠)**を“同時に”回す。やることはシンプルです。

要点10(これだけ守れば伸びる)

  1. 各部位週8–20ハードセット(RIR1–3)。
  2. 部位週2回前後に分散(全身3 or 上下4が鉄板)。
  3. ダブル・プログレッション:レップ上限達成→重量微増。
  4. 主要種目はフルレンジ&動画チェック、痛みゼロが大前提。
  5. たんぱく質1.6–2.2 g/kg、カロリーは目的に合わせて±。
  6. 睡眠7–9h、就寝時刻は固定。
  7. 記録は重量/回数/RIR+週平均体重・ウエスト・写真
  8. 2週ごとに微調整(±100–150kcal / セット±2–4)
  9. 3週停滞したら反復帯変更 or マイクロロード or デロード
  10. まず質→量→テクの順で弄る(増やす前に整える)。

30日スプリント(週3全身・60分の例)

  • 週1–2:フォーム固め(RIR2–3)。A/B/Cで全身。
  • 週3:合計レップ↑を狙う(上限届いたら+2.5〜5kg)。
  • 週4:弱部位に+2セット/週、月末に写真/ウエスト/定点レップで評価。

停滞→休憩+60–120秒 or 反復帯変更。疲労↑→週セット−20%


1ページ・チートシート

トレ

  • コンパウンド中心/休憩90–180秒/テンポ3-0-1-0。
  • プル系の総レップはプッシュ以上。

食事

  • 維持=体重×33kcal。減量は−300〜500kcal、増量は+150〜300kcal。
  • 1日P20–40g×4回、トレ前後にC30–60g。

回復

  • 3-2-1ルール(食事/仕事/スクリーンの締め)&ゾーン2×20–30分×週2。

計測

  • 毎朝体重→7日平均/週1–2ウエスト/週1写真。
  • 4週ごとに定点レップ(例:ベンチ60kg何回)。

停滞

  • RIR0連発→RIR1–3へ
  • 重量止まり→反復帯変更 or +0.5–2.5kg
  • 疲労↑→デロード1週(−40%)

筋トレは「才能」ではなく「設計と運用」。今日の1セット今夜の睡眠明日の記録。この3つを回し続ければ、体も数字も必ず変わります。まずは4週間、“質を守って少しずつ重く”から始めましょう。

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