格安SIM【大手キャリアからの乗り換え手順】会社員向け完全ガイド

先月の給料日、工場の休憩室で自分のスマホの利用明細を見て、少し手が止まった。

基本料金とデータ通信料、それに端末の分割払いを合わせて、月々8,700円。一方で、私が新NISAで「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」に積み立てている金額は月6,500円だ。

「投資に回しているお金より、スマホ代の方が高いのか」

この事実に気づいたとき、製造現場で長年培ってきた「工程改善」の血が騒いだ。不良品を減らし、タクトタイムを短縮するのと同じように、家計の「固定費」という名の無駄を削ぎ落とさなければならない。結果として、私は大手キャリアから格安SIMへの乗り換えを決意した。

現在の私の総資産は約170万円。そのうち122万円を株式で運用し、年間約26,000円の配当金を得ている。この配当金を積み上げる苦労を知っているからこそ、月に数千円を「なんとなく」払い続けることが、どれほど資産形成の足を引っ張るかが痛いほどわかる。

なぜ私たちは「高い」と知りながら払い続けるのか

現場の作業効率化でも同じだが、人は「今のやり方を変える」ことに強い抵抗を感じる。大手キャリアから乗り換えない理由を自分に問いかけてみると、だいたい「面倒くさい」「繋がらなくなったら困る」「メールアドレスが変わるのが嫌だ」という、論理的ではない不安に行き着く。

しかし、冷静に考えてみてほしい。総務省の「電気通信サービスの契約数及びシェア(令和5年度第4四半期)」などのデータを見ても、MVNO(格安SIM)のシェアは着実に伸びている。もはや「怪しいサービス」ではない。

私の場合、YouTubeで動物チャンネルを運営したり、Pythonを使って作業を自動化したりしているため、ネット環境は生命線だ。それでも格安SIMで十分だと判断したのは、自分のデータ利用実態を「見える化」したからだ。工場の歩留まりを改善する際、まずデータを取るのと同じ手順である。

私が犯した「安易な乗り換え」の失敗談

偉そうに書いているが、実は一度、大失敗をしている。

「とにかく一番安いところを」と、通信速度の評判を調べずに超格安のプランに飛びついた時のことだ。昼休み、工場の食堂でPythonのコードを確認しようとしても、画面が全く進まない。YouTubeの動画アップロードには数時間を要し、結局、数日で元のキャリアに戻す羽目になった。

事務手数料の3,300円と、数日分の利用料を無駄にした。まさに「安物買いの銭失い」だ。改善活動において、コストだけを見て「品質(速度)」を無視するのは致命的なミスである。

この失敗から学んだのは、自分の生活圏内での通信品質を確認することの大切さだ。現在は、大手キャリアのサブブランド(UQモバイルやワイモバイル)、あるいはオンライン専用プラン(ahamo、povo、LINEMO)を選ぶのが、会社員にとっては最も「失敗の少ない改善」だと確信している。

より詳しい内容はnoteでも解説しています。

失敗しないための「固定費削減」4ステップ

それでは、実際に私が踏んだ手順を、製造現場の標準作業票のように整理してみる。

ステップ1:現状把握(データ使用量の確認)
まずは自分が月に何GB使っているかを、マイページから確認する。私は「20GBあれば十分」ということがわかった。

ステップ2:MNP予約番号の取得
今の電話番号をそのまま使うために、現在のキャリアからMNP予約番号を発行してもらう。今は「MNPワンストップ」という制度があり、乗り換え先によってはこの手順を省略できる場合も増えている。

ステップ3:端末の動作確認とSIMロック解除
今のスマホをそのまま使うなら、乗り換え先のSIMが対応しているか確認が必要だ。2021年10月以降に発売された端末なら原則SIMロックはないが、古い端末は注意が必要だ。

ステップ4:オンラインでの申し込みと設定
SIMカード(またはeSIM)が届いたら、初期設定(APN設定)を行う。Pythonでスクリプトを書く手間に比べれば、10分もかからない作業だ。

大手キャリアと格安SIM(サブブランド)の比較

項目大手キャリア(メイン)格安SIM・サブブランド
月額料金(目安)7,000円〜9,000円2,000円〜4,000円
通信速度非常に安定混雑時に低下する場合がある
店舗サポート手厚い(待ち時間あり)基本はオンラインのみ
家族割・セット割適用条件が複雑シンプルな料金体系が多い
向いている人手厚いサポートが必要な人固定費を削り投資に回したい人

※月額料金はデータ容量や割引状況により変動します。
※投資には元本割れのリスクがあります。最終的な判断は自己責任でお願いします。

浮いた5,000円が、将来の「選択肢」を作る

乗り換えの結果、私のスマホ代は月額約3,200円になった。以前より約5,500円の削減だ。この5,500円をどう考えるか。

私はこの浮いた資金を、そのまま新NISAの積立額に上乗せした。月6,500円だった積立が、12,000円になった。年間に直せば66,000円の差だ。配当金が年間26,000円であることを考えると、この「固定費削減」がいかに効率的な資産形成かがわかる。

もちろん、投資は魔法ではない。市場環境によっては元本割れのリスクがありますし、税制や法律も今後変更される可能性があります(出典:金融庁「NISAとは」)。しかし、スマホ代という「確実に減らせるコスト」を放置しておくのは、穴の空いたバケツで水を汲んでいるようなものだ。

PythonでAIを動かし、作業を自動化して時間を生み出すのも、スマホ代を削って投資に回すのも、目的は同じだ。「自分の人生の主導権を、少しずつ自分の方に引き寄せること」である。

会社員として働いていると、給料を月5,000円上げるのは容易ではない。残業を増やすか、昇進を目指して数年頑張る必要がある。だが、スマホの契約プランを見直すだけなら、今夜の30分で終わる。

まとめ

格安SIMへの乗り換えは、単なる節約術ではない。それは、自分の生活における「無駄」を定義し、限られたリソース(お金と時間)をどこに投下すべきかを決める「工程改善」そのものだ。

私の総資産170万円は、こうした数千円単位の積み重ねでできている。派手な成功談ではないし、失敗も多い。だが、自分の手で改善を繰り返してきたという自負はある。

もしあなたが、毎月の給料明細を見て「なぜかお金が残らない」と感じているなら、まずはスマホのマイページを開くことから始めてみてはどうだろうか。その一歩が、数年後の資産残高を、そしてあなた自身の「選択肢」を、確実に変えていくはずだ。

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