総資産が170万円を超えた今だから言えるが、数年前の私は「もう投資を始めるには遅すぎる」と本気で思い込んでいた。
周りは20代から積立投資を始め、すでに数百万円の資産を築いている人ばかり。当時、工場の現場で油にまみれながら「今さら月数千円を新NISAに入れたところで、一体何が変わるんだ?」と、証券口座の開設ボタンを押すのをためらっていた。
現在の私は、楽天証券で「eMAXIS Slim 全世界株式(通称オルカン)」を月6,500円ずつ積み立てている。年間配当金は約26,000円。投資のプロから見れば微々たる数字かもしれないが、この「一歩」を踏み出したことで、私の生活は確実に変わり始めた。
制度が「完成」した2026年から始める強み
2024年にスタートした新NISAは、それまでの制度とは一線を画している。最大の違いは、制度が恒久化されたことだ。金融庁の公式サイトを確認すればわかるが、非課税保有期間が無期限となり、「いつまでに売らなければならない」という期限を気にする必要がなくなった。
私が投資を迷っていた頃は、旧制度の期限やルールが複雑で、正直「後でいいや」と逃げていた。しかし、2026年から始める人は、すでに荒波を乗り越えて安定した「完成版」の制度を最初からフル活用できる。
つみたて投資枠で年間120万円、成長投資枠で年間240万円という巨大な枠が用意されているが、私のような会社員がこれをいきなり使い切る必要はない。むしろ、制度がしっかり固まった今だからこそ、長期的な視点でどっしりと構えて投資をスタートできるのだ。
「何を買えばいいか」の答え合わせが終わっている
「投資は難しい」「勉強しないと損をする」というイメージがあるかもしれないが、実は今の時代、投資先の「正解」はほぼ見えている。NISAが普及して数年が経ち、膨大なデータが蓄積された結果だ。
- つみたて投資枠:全世界株式(オルカン)かS&P500
- 成長投資枠:配当目当ての個別株やETF
あれこれ手を出して失敗してきた私だからこそ言えるが、初心者が独自の理論で銘柄を選ぶのは、製造現場でマニュアルを無視して機械を動かすくらい危険なことだ。私は現在、オルカン一本に絞っている。Pythonを使って過去のデータを分析したり、AIで市場の動向を追ったりもしてみたが、結局「低コストのインデックスファンドを淡々と買う」という結論にたどり着いた。
「もっと早く始めていれば」と後悔する気持ちもわかる。だが、迷っている間に市場のトレンドや優良な銘柄が整理された今は、余計な失敗をせずに済むという大きなメリットがある。
5年の遅れよりも「始めないリスク」の方が重い
よく言われる「複利の効果」だが、これは早く始めるに越したことはない。例えば、30歳から30年間、月1万円を年利5%で運用できれば約830万円になる。一方で35歳から始めると約620万円だ。この210万円の差を「もう取り戻せない」と捉えるか、「今始めれば620万円は作れる」と捉えるかで、老後の景色は全く変わってくる。
私は月6,500円という、飲み会を1〜2回我慢すれば捻出できる金額から始めた。副業のYouTubeやブログの作業時間をAIで効率化し、浮いた時間で投資の勉強を少しずつ進めている。大事なのは、完璧なタイミングを待つことではない。不完全なままでもいいから、まずは打席に立つことだ。
私が実際にやってしまった失敗と、これからの人への助言
実を言うと、私は投資を始めてすぐに「もっと増やしたい」と焦り、生活費に手をつけてしまったことがある。これは本当に良くない。工場の仕事で疲れている時に、スマホで株価のマイナスを見てさらに精神を削られるのは、コンテンツ制作のパフォーマンスを著しく下げる。
これからNISAを始めるなら、以下のことだけは守ってほしいと思っている。
- 生活費の3〜6ヶ月分は、絶対に銀行口座に置いておく
- 「なくなっても明日からの生活に困らない」金額で設定する
- 最初の1年は、含み損(マイナス)が出ても「そんなものだ」と割り切る
投資は魔法ではない。特にNISAは税制優遇を受けるための箱であり、元本が保証されているわけではない。市場が暴落すれば、資産が一時的に減ることもある。それは金融庁や各証券会社の重要事項説明にも必ず書かれている事実だ。
ただ、製造業で工程改善を繰り返してきた経験から言えば、「何もしない」ことこそが最大のボトルネックになる。2026年、制度が整い、投資先も明確になった今こそ、重い腰を上げるには絶好のタイミングではないだろうか。
※本記事は筆者の個人的な体験と見解に基づくものであり、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。投資には価格変動リスクがあり、元本を割り込む可能性があります。最終的な判断は、各金融機関の公式サイトや公的な情報(金融庁など)を確認の上、自己責任で行ってください。また、税制や法律は今後変更される可能性があります。


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